14歳から大人まで 生きることの根っこをかんがえる『ふだんの哲学』シリーズ 〈第3章|価値〉第5話
こうしてみると、「美しい」にはどうやら2つのことが関係しているようです。1つは、ものごとが発する「美の波長」がどうか。もう1つは、感じる側である人間の「美の受信機」がどうか。この2つが互いに合ってはじめて「美しい」は生じる。そして「美しい」の感じ方が人それぞれにちがうのは、2番目の各人の「美の受信機」のちがいによる。
「美の受信機」は難しい言葉で「審美眼」とも言います。人はそれぞれの顔や体形がちがうように、審美眼も違います。だから、他人の「美しい」が、自分の「美しい」とちがうからといって、それをけなしたりするのではなく、認め合うことが大事です。また、自分が美しいと感じるものを他人に紹介することはできても、押しつけることはできません。人は自分の受信能力によってしか「美しい」を感じられないからです。しかし、逆に考えれば、人それぞれに「美しい」があるからこそ、世の中にさまざまな美が生まれるともいえます。
[文:村山 昇/イラスト:サカイシヤスシ]
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キャリア・ポートレート コンサルティング 代表
人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。