2010年6月13日、小惑星探査機「はやぶさ」が地球に帰還しました。オーストラリアの砂漠の空に消えた「はやぶさ」の最後の輝きは人々の記憶に残る光景となりました。
今日、6月13日は「はやぶさの日」です。
2003年5月9日に打ち上げられた小惑星探査機「はやぶさ」が、2010年6月13日に地球に帰還し、オーストラリア・ウーメラ砂漠へ搭載カプセルを落下させ、燃え尽きました。度重なるトラブルを乗り越え、ミッションを終えた「はやぶさ」の物語は、メディアに大々的に取り上げられ、映画やドラマにもなったのでご存知の方も多いことでしょう。
「はやぶさ」は2005年9月から11月にかけて、高度20km~3kmの距離からS型小惑星「イトカワ」の形状、地形、表面高度分布、反射率(スペクトル)、鉱物組成、重力、主要元素組成などを観測しました。その結果は、小惑星の形成過程を考える上で、まったく新しい知見をもたらしたそうです。
2016年6月現在は、「はやぶさ」の後継機「はやぶさ2」が運用中です。「はやぶさ2」は太陽系の起源・進化と生命の原材料物質を解明するため、C型小惑星「リュウグウ」を目指しています。2014年12月3日に打ち上げられた「はやぶさ2」が「リュウグウ」に到着するのは2018年半ばで、1年半ほど小惑星に滞在して2020年末頃に地球に帰還する予定です。
宇宙開発には膨大な予算と時間がかかります。故障や事故などで、何十億ものお金が一瞬で消えてしまうこともままあります。それでも人は宇宙を目指します。人類を救うために火星移住計画を立てる人もいますが、もともと宇宙開発はもっと根源的な「知りたい」がその主な動機のような気がします。誰も見たことのない宇宙に何があるのかを知りたい。この宇宙の中から、生命がどうやって誕生したのかを知りたい。そういう多くの人の好奇心と情熱が切り開いてきた道ではないでしょうか。
「はやぶさの日」は「銀河連邦」が制定しました。「はやぶさ」の開発・運用が行われたJAXA相模原キャンパスや、「はやぶさ」が打ち上げられた内之浦宇宙空間観測所など、JAXAの施設がある5市2町で組織された「銀河連邦」。このミニ国家は、宇宙平和の一翼を担うとともに、人々の笑顔あふれるユートピアの創造をめざし、宇宙への夢とロマンを育むことを目的とするという壮大な建国理念を持っています。
宇宙開発に携わるたくさんの人たちの、常にはるか遠くを見ているような、日常をちょっと離れた感じが、案外、宇宙開発を身近なものにしてくれているのかもしれません。「はやぶさ2」が2020年、無事に帰ってくる日をみんなで待ちましょう。
今日は何の日
2016.06.07
2016.06.08
2016.06.09
2016.06.10
2016.06.13
2016.06.14
2016.06.15
2016.06.16
2016.06.20