経営戦略の基本的な内容を解説していく内容です。構文という意味はバラバラに読んでもそれなりに意味がわかって読める、定型化されているということですが、読み物としてもそれなりに読めることを目指します。
わかりにくいのは外部経済ですが、これは道路がわかりやすいでしょうか。わかりやすくするために山奥の例にしましょう。山奥で誰かが一生懸命、道を作って通りやすくしたとして、「その道はカネを払わないと通れないぞ!」とカネを徴収できるかというと、なかなか難しそうです。みんなは勝手に使いそうですよね。
誰かがやったことの利益をみんなが享受できてしまう、カネを徴収できないのを外部経済と言います。
ポーターは外部不経済を最小化するような投資を積極的に行うことで生産性が上がると言っています。また、地域社会を活性化するような投資を積極的に行うことで、地域社会から外部経済の利益を受けることができると言っています。
水資源は稀少だとよく言いますが、水の使用を減らすような投資を行うと、社会への外部不経済を減らすことができますし、コストの削減にもつながります。
産業集積など、同一地域に同じような企業が密集しているケースがありますが、これはお互いにメリットがあります。コーヒー店がまとめて出店している地域があり、おの地域名が有名になり、それを目当てに人々がやってくるならば、お互いに広告宣伝費を削減できますからね。お互いに競合ではあるわけですが、同一地域への出店は外部経済がお互いにある。
いわゆる技術コモンズと言われるものも、外部経済があります。そこに技術を持った企業がまとめてあることによって、地域という物理的制約の中でのいろいろなコストが最小化されます。
これにタダ乗りすることもできる。しかし、全員がタダ乗りしていてはコストがかえって上がってしまう。花火大会をやると、見に行く分にはタダ乗りできます。花火大会を主催する側は、花火によって人が集まってくることで、それを商売の機会にすることで回収するわけですが、全員が何も買わなければ成立しません。全員が花火の観賞をタダでやっていては、成立しないわけです。
ポーターは地域社会から得られる外部経済に対して自覚的になり、地域社会を支えるような投資を行うことで、企業はメリットが得られると言っているわけです。
これがバリューチェーンの生産性を向上させるお話と、地域社会のお話の中で外部性の部分です。
補完性は難しく説明することもできますが、今回は単にWin-Winの関係だと思っておいてください。競争じゃないんだ!共創なんだ!と意識高い系のおじさんが言うやつです。限界代替率から説明していたら日が暮れます。
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経営戦略構文100選(仮)
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。