経営戦略の基本的な内容を解説していく内容です。構文という意味はバラバラに読んでもそれなりに意味がわかって読める、定型化されているということですが、読み物としてもそれなりに読めることを目指します。
電気代があまりにかかるので、揚水式ダムなどを使っているあたりでアルミニウムの精錬とか行われていると思いますが、電気をスケールメリットがあるレベルで作れるって巨大国家の公共事業レベルの話でしょうからね・・・。いかに従業員が習熟してもコストがクリティカルにかかるプロセスが下がらないこともあるということです。
確かに、従業員が習熟することによって、累積経験量が上がって効率化するのは、一定ありそうですが、目に見えて競争力の違いとして現れてくるには、相当な規模が必要でしょう。
ただ、この知見をもとにコスト競争力の向上を予測して、設備投資計画を立てるメーカーがたくさん出てきた時代があったことは確かですし、それがある程度の成果を上げたことも確かでしょう。
この前も書きましたが、市場計画と組織計画の手に余る部分を総合的に考えるのが戦略部分と捉えた時に、経験曲線の知見は市場計画と組織計画の上位で考えられるという意味で、経験曲線の知見に基づく事業計画の策定はまさに戦略的ではありました。将来の収益がある程度予見可能になったわけです。
そうすると、経験曲線が戦略の歴史上出現したことを抽象化して一般的に言えることを言うとすれば、「分析に基づいてある程度正しい知見を得たうえで、その知見が効くうちはそれを活用して競争優位を築いていくというのが戦略の要素としてあるべきだ」ということでしょう。
こういった知見の発見がいわゆるコンサルティングの価値でもあります。海外進出では、例えば飲食系のグローバルビジネスにおいては、名目GDP3000ドルを超えると中間層が立ち上がってくるので、進出しやすくなるとか、味の素さんなどで有名なグルタミン酸などのうま味を摂取している地域ならば進出できると考える経験則などもこれにはまるものでしょう。
戦略は道徳論やら、定性的なやりたいことに基づくビジネスポリシーのようなものではないということです。ある程度、正しい分析作業が必要なことだ、ということになってくるわけですね。
だから、ドラッカーとはさようならですし、レビットともさようならですし、アンドルーズのSWOT分析とも本当はさようならなのです。
ただ、SWOT分析は未だに信者が多くて、定量的な分析要素までSWOT分析に組み込んで意地でも使おうという人たちがたくさんいて困ります・・・。
事業戦略レベルでは、1つの価値複製システムをいかに回していくか?が問題になりますので、確かにSWOT分析でもやれなくはないと思いますけどね・・・。複数事業をもった瞬間に矛盾に満ち満ちた打ち手にまみれるというのが欠点でしょうね。
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。