経営戦略の基本的な内容を解説していく内容です。構文という意味はバラバラに読んでもそれなりに意味がわかって読める、定型化されているということですが、読み物としてもそれなりに読めることを目指します。
そこで提案されたのがコーペティション経営におけるバリューネットですね。
これは、ミクロの教科書の初めのほうに必ず書いてある無差別曲線を理解していれば誰でもわかります。しかし、誰もミクロの教科書なんて真面目に読まないし、無差別曲線、限界代替率すら経済学部卒の人もほぼ理解していません。
そうです。3Cに限界があるのは、ミクロの教科書の初めのほうを読むだけでわかりますので、大丈夫です。今日の内容はわかります。簡単です。なんせ、大学1年生が学習する内容ですからね。
代替性とは、競合することです。補完性とは、お互いに補いあうということです。つまり、3Cは代替性でしか財同士の関係、つまり商品同士の関係について説明していません。補い合うことを説明していないので不十分な面があるわけです。そして、補い合うことを考えると、サプライヤーまで登場人物に入れざるをえなくなります。すると、顧客だけを見ればいいわけではないことがわかります。
では、どのように補いあうのか?それを見ていきましょう。
わかりやすいのは成長市場です。成長市場では、競合が参入してきたほうが、補い合う側面が大きくなります。
まず、自社が価値提供できない分の超過需要については、競合がその需要を満たしてくれた方がいいのです。その分、業界の総提供価値が増大しますからね。
その結果、サプライヤーがその価値提供に対して原材料などを提供するわけですが、競合が増えてその規模が大きくなると、サプライヤーのコスト削減が見込めることがあります。更に、広告宣伝においても、その商材の認知度は競合が多数いることによってより世間に広まりやすくなり、市場の成長を加速させます。
といった面で考えると、競合がいることは必ずしも自社の付加価値を減少させるだけではなく、増加させる場合もあるということです。
また、もっとわかりやすいケースもあります。
インドカレーのお店をイメージしてみましょう。私はターリー屋というカレー屋さんによく行きますが、朝は400円でナン定食かライス定食が食べられます。ナン定食は、当然ナンとカレーのセットですし、ライス定食はライスとカレーのセットです。サラダもついてきて400円は驚きの安さです。
それでね、ナンとカレーは競合するか?ということを考えてみましょう。同時に、ライスとカレーは競合するか、ライスとナンは競合するか?と。
これはすぐにわかりますよね。
ナンとカレー、ライスとカレーは競合せず、ナンとライスは競合することが多いでしょう。私はナンライス定食というナンとライスが両方ついてくる定食(500円)をたまに食べますが、そういう人はレアです。ナンとライスの両方を食べると満足度が下がるケースも多いわけです。そこまで食べたくないし、太りそうです。
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。