経営戦略の基本的な内容を解説していく内容です。構文という意味はバラバラに読んでもそれなりに意味がわかって読める、定型化されているということですが、読み物としてもそれなりに読めることを目指します。
それで、いつもいつも思うのですが、なんで日本ではドラッカーやレビットなどがいまだに幅を利かせているんだろうと思うんです。狂信的な信者の方々がいらっしゃるせいか、嘘にまみれたビジネス書が書店には相当積んであります。
日本は米国に遅れること数十年な感じではありますので、仕方ないかなあと思いつつ、これがいきなりティースとかそのあたりまで来たりはしないでしょうけど、せめてポーターぐらいまで来るといいなあと思っています。
ただ、レビットをベースにしたビジネス書が累計数百万部という状況は、ちょっと恐ろしいと思うわけです。
私が言うまでもなく、多数の学者さんたちの強烈な批判にさらされてきた『マーケティング近視眼』でありますが、読むとけっこう元気になってしまうので困りものです。私としても全く正しくはないと思いますし、いわゆる大家で言うと、ミンツバーグが『マーケティング近視眼の近視眼』という文章を書いています。
レビットのせいで、「飛行機などの登場によって衰退してしまった鉄道会社は、人や物を目的地に運ぶことを使命と捉えず、単に鉄道を動かすことを使命としてしまったことが衰退の要因だ」ということをまことしやかに主張する人がいまだにいるわけですね。
どこの鉄道会社が航空運送事業をやっているか教えてほしいものですね・・・。ケイパビリティ連続性が全くないので、鉄道事業をやっている会社が航空運送事業をやっても、おそらく失敗します。ただ、こういう考え方で新規事業を提案するコンサルタントやスタッフは未だに存在しています。
ケイパビリティの連続性がないことをいくつも立ち上げて回せる天才はそのへんに転がっていないですし、普通の人は真似すべきではありません。
ただ、想いベースで連続性があるように思えるから危険ですよね。「私たちは、お客様をお運びすることに幸せを感じるんです!だから、鉄道だけじゃなくて、航空機もやりましょう!」とかピュアな目で言われると、これ以上嫌われたくないので、何も言えなくなってしまします。
ただ、多くのスタッフやコンサルタントによって作られた提案をレビューしていると、頭をそっくりそのままどこかの本に預けてしまったようなものばかりであることに切なくなります。大事なのは思考の蓄積であり、考え抜いたことなのです。どこかから適当にアイデアを持ってくることではありません。
戦略についての本や文章を読む意味は、文章を読みつつ自ら考えて、誤解をはらみながらもいろいろ考えたりやったりしてみて、理解に近づくことだと思います。。
ただ、本にはこういうことは書けないですし、好き勝手なことを書くと鬼のような編集者の方に相当添削されてしまうでしょうから、ここで好き勝手に書いてみようと思った次第でございます。
本当に100個書くかわかりませんし、いつまで続くかわかりませんが、ご興味があればお読みいただけると幸いです。それでは今日はこのあたりで、次回をお楽しみに。
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。