アルバイトといえば学生の小遣い稼ぎで、あまり当てにできない戦力。これは昔の常識。今や飲食業・サービス業を中心に多くの現場オペレーションに組み込まれており、無くてはならない存在となっているのが実態である。しかし学生の法的無知や優しさに付け込んで、とんでもない働かせ方をして恥じない連中がいるのも事実だ。彼らに対処すべきは、学生の味方である大学の事務局である。
そうした学生の無知に付け込んで、現場の苦労の一端をアルバイトに押し付けようとしているのがブラックバイトの実態なのだ。
実は無茶な働き方をさせている店長・上司の側にも、法的に間違ったことをしているとか、倫理的に問題のある働き方をさせているという認識がないケースがあるのだから厄介だ。要は社会人とはいえ法的・社会常識的に欠落した人間はゴマンといるということだ。
もちろん、社会常識的にはマズイという感覚を持ちながらも、自らの立場を守るために無知もしくは立場の弱い学生に無理を強要したり泣き落としをしたりしているケースが大半だろう。そして彼ら現場責任者が過剰なノルマや利潤への大きなプレッシャーを感じているという背景があることは間違いない(だからといって同情の余地はないが)。
さらに昔の学生と違って、今の学生は「周囲への優しさ」と「関係性への過敏性」に溢れている。無茶なシフトだと思いながらも、自分が抜けると穴があく、それは誰か他のスタッフ=仲間にしわ寄せが行くため嫌がられる、最終的にはお世話になっている店長が上から叱られる、ならば自分が当面我慢すればいい…と「大人の対応」を自分に納得させるようだ。
一方、大半のブラックバイトを行っている企業の経営者は実態を知らないまま、こうした理不尽な行為を部下に続けさせているのだろうか。…それも考えにくい。ブラックバイトを生むような産業・業態はある程度限定されるのだ。その典型例は飲食店、コンビニ、塾だ。これらの業種は労働問題の常習者なのだ。
特に飲食店チェーンの多くで、日常の現場オペレーションにおいて学生アルバイトを中心に回っている実態があり、社員は店長だけといった具合にごく一部しかいない。数店舗を指導監督する人間は社員だが、店舗はほぼ全員がアルバイトとパートだというようなケースも少なくない。
こうした業態では「ブラックバイト」という新用語の前に、「ブラック企業」というレッテルが貼られているケースが数年前に相次いでいる。つまり元々従業員を酷使し使い捨てにする体質が業界に存在すると考えるのが自然だ。単に現場から正社員がいなくなって、残ったのが契約社員とアルバイトだけ。その結果として「ブラックバイト」に注目が集まっている、というのが典型的パターンなのである。
塾講師にはプロも多くいるが、最近まで現役受験生だった学生は歓迎され、見掛けの時給が良かったりするので人気なのだ。しかし実態は、先に挙げた「コマ給問題」に代表されるように見掛け倒しで、「真っ黒」なのだ。そしてこれは業界ではかなり以前から問題視されていたのだ。
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パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長
「世界的戦略ファームのノウハウ」×「事業会社での事業開発実務」×「身銭での投資・起業経験」。 足掛け38年にわたりプライム上場企業を中心に300近いプロジェクトを主導。 ✅パスファインダーズ社は大企業・中堅企業向けの事業開発・事業戦略策定にフォーカスした戦略コンサルティング会社。AIとデータサイエンス技術によるDX化を支援する「ADXサービス」を展開中。https://www.pathfinders.co.jp/ ✅中小企業向けの経営戦略研究会『羅針盤倶楽部』の運営事務局も務めています。https://www.facebook.com/rashimbanclub/
