サービスは「目に見えない」「利用してみないと分からない」という特徴があります。そのために不安や不満を感じることが多いのではないでしょうか?今回は「目に見えないサービスを見せる」ことに着目してみました。サービスを見せるとはどういうことなのか?どんな効果を発揮するのか?考えてみたいといます。
これまでにお客様の満足度を高めるためにはどうするべきか?という視点でスターバックスなどの事例と共にサービスサイエンスの理論を紹介してきました。“スターバックスに学ぶCS向上のポイント”“スターバックスに見るサービス品質6つの視点”
とは言うものの、そもそもお客様に来て頂かなくてはサービスを提供して満足頂く事はできません。そこで一つ重要なのが「サービスを利用する前」の段階で自社サービスを選んで頂くための工夫をすることです。例えばサービスを利用する前では、どのサービスが自分の事前期待に合っているのかが分かり難く、サービスを選択する際に大きな不安を感じることがあります。また、サービス利用中であっても、サービス品質や効果が見えにくくてなんとなく不満感があったり、待たされてイライラしたりなんてことがよくあると思います。
そこで、目に見えないサービスを「見せる」ことができれば、サービスを選択する時の不安感の軽減や、サービス利用時の満足感を高める効果が期待でき、それ自体がサービスの差別化になりそうです。それでは、「サービスを見せる」ことについて4つの視点で見ていきたいと思います。
■サービスを見せる4つの視点
1.まずは見えている部分の魅力を磨く
「サービスは目に見えない」とはいえ、お客様に見える部分はたくさんあります。店舗の外観や内装もそうですし、サービススタッフの服装や表情もそう。昔からよく言われることですが、例えば人の印象というのは「見た目6割」というほど、目に見える部分を磨くということは重要なんですね。
この見える部分を極めているのはディズニーランドですよね。見せる部分と見せない部分をきっちりと分けて、見えている部分は徹底的に磨く。ドアノブ1つから歩道の材質まで、コンセプトに合わせてとことんこだわっています。
いきなりこのレベルまでに到達するのは難しいという場合は、例えば予防保全を徹底することから始めてみても良いかもしれません。例えば長崎のハウステンボスでは、以前は「花は枯れてから植え替える」「手すりは錆びてから塗装し直す」という事後対応であったのを、「見た目が悪くなる前に保全する」予防保全に切り替えて徹底することで、園内が新鮮な印象になっただけでなく、スタッフ自身もお客様の気持ちに敏感になり、活気が戻ってきたという事例があります。
このように、今お客様に見えている部分の魅力を磨くことは、最低限押さえておきたい視点のひとつですね。では既にお客様に見えている部分を磨くこと以外にどんなことができるのか?本題に入っていきましょう。
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サービスサイエンス・CS向上・サービス改革・品質向上
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松井サービスコンサルティング ・サービスサイエンティスト
サービス改革の専門家として、業種を問わず数々の企業を支援。国や自治体の外部委員・アドバイザー、日本サービス大賞の選考委員、東京工業大学サービスイノベーションコース非常勤講師、サービス学会理事、サービス研究会のコーディネーター、企業の社外取締役、なども務める。 代表著書:日本の優れたサービス1―選ばれ続ける6つのポイント、日本の優れたサービス2―6つの壁を乗り越える変革力、サービスイノベーション実践論ーサービスモデルで考える7つの経営革新