ルネサスが外部委託するモノの技術蓄積に投資する理由

2011.06.23

経営・マネジメント

ルネサスが外部委託するモノの技術蓄積に投資する理由

中ノ森 清訓
株式会社 戦略調達 代表取締役社長

ルネサスエレクトロニクスが、自らは製造せず生産委託する予定の次世代半導体の製造技術を共同開発する国際企業連合に参加する。なぜ、自らは手掛けないものの製造技術の開発に手間を掛け、投資するのか?今回は、その理由について見て行こう。

答えは、そうした能力がない時には、今回のルネサスエレクトロニクスの例のように、能力の獲得、蓄積を優先し、設計能力が身に付くまでは調達するのを待つ方が良い。内製での能力の確保が難しければ、人材を採用しても良い。すべてを外部に任せるのではなく、その投資の一部を能力獲得のための研究開発、人材に振り向けるのだ。一見、遠回りや余計な支出に見えるかもしれないが、実際には、この投資が、すべてを外部に任せるのに比べて、投資の費用対効果を何倍、何十倍にも改善させることになる。

外部からモノを調達する際の設計能力の重要性を理解しているからこそ、ルネサスは自らは製造せず生産委託するものの共同開発に参加している。

中ノ森 清訓/株式会社 戦略調達 代表取締役社長

調達・購買業務に関わる代行・アウトソーシング、システム導入、コンサルティングを通じて、お客様の「最善の調達・購買」を実現することにより、調達・購買コスト、物流費用、経費削減を支援する傍ら、日本における調達・購買業務とそのマネジメントの確立に向け、それらの理論化、体系化を行なっている。
コーポレートサイト: http://www.samuraisourcing.com/

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コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます

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