先週、ローソンが節電対策でユニフォームをエプロンに変更することを例に、事業、オペレーション、製品、サービスをもっとシンプルに提供する方法がないかを考えることが効果的という話をした。シンプルにできるのはユニフォームのような単純なものだけではない。いや、複雑な先端機器こそ、シンプルにしていかなければならない。今回はリコーが開発したカラー電子ペーパーを例に、製品のシンプル化による効用について見ていく。
先週、ローソンが節電対策の一環として店舗でのユニフォームをエプロンに変更することを例に、環境経営の推進には、事業、オペレーション、製品、サービスをもっとシンプルに提供する方法がないかを考えることが効果的という話をした。
「シンプルにできるのはユニフォームのような単純なものだけだ。」
その様に思われた方もいるかもしれない。しかし、そんなことはない。いや、複雑な先端機器こそ、シンプルにしていかなければならない。今回はリコーが開発したカラー電子ペーパーを例に、製品のシンプル化による効用について見ていこう。
リコーは従来技術の約2.5倍明るく、色再現範囲で約4倍となるカラー電子ペーパーを開発した。エレクトロミックと呼ばれる、透明な材料が電流を流すと特定の色に発色する技術を利用し、カラーの像を表示させる。(リコーの当件のプレスリリースでこの技術による画像表示例を見ることができる。⇒ http://www.ricoh.co.jp/release/2011/0518_1.html)
電子ペーパーは液晶のようなバックライト機構が不要で、その分、部品点数を減らすことができる。しかし、従来の電子ペーパーでは、利点であるはずのバックライト機構がないことが、明るさ不足につながり、それが実用化に向けた最大の課題とされてきた。
今回リコーが開発を進めてきた電子ペーパーは、この明るさの問題を解決すると共に、従来のカラー電子ペーパーと比べても、電極や基板点数を半分以下に減らせるという。
環境経営の観点から、部品点数を減らすとどのようなメリットがあるかと言うと、
■ 利用資源、エネルギーの減少とコスト低減
部品の数が減れば、削減された部品に用いられた資源ならびにその製造、運搬時に使われるエネルギーが減少する。加えて、それらに掛かっていたコストも不要になる。
■ 製造工程のシンプル化による必要エネルギーの減少とコスト低減
部品点数が減れば、それを組み付ける工程が不要になる。工程が減れば、その工程で利用されていたエネルギーと、工程すべてに掛かっていたコストも不要になる。
■ 軽量化による輸送時の必要エネルギーおよびコスト低減
部品点数が減れば、その分、製品重量が減る。重量が減ると、トラックのガソリン等、製品の輸送時に掛かるエネルギーが減る。運賃契約が重量×距離となっていれば、製品重量の減少はすぐに運送費の低減につながる。運賃契約が重量×距離となっていなくても、積荷の軽量化は、物流企業の燃費や輸送効率の改善につながるため、単価引き下げ交渉の材料になる。
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株式会社 戦略調達 代表取締役社長
コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます