東京電力も供給力の積み増しの努力をしているが、昨年並みの利用となれば500万kw程の不足が起こる可能性は否定されていない。そうこうしている内に、日本の民間企業は続々と対策を打ち出している。
日本マイクロソフトは財団法人電力中央研究所と協力し、消費電力を3割減らす省電力プログラムを開発、NECや富士通と連携して企業や家庭に普及させる。東京電力管内には同社のOSを使うPCが2,456万台あり、すべてにこのプログラムを導入すれば、これらのPCの現在の全消費電力111万kwの約3割、33万kw減らせるという。(参考:2011/4/25 日本経済新聞 1面)
原理はPCの設定をマイクロソフトが無償提供するプログラムで細かく自動制御するというもの。例えば、画面の明るさを4割に抑制、利用者の使い方に応じて、電源を完全に落とす「シャットダウン」とすぐに使える待機状態の「スリープ」を使い分けるという。企業の場合、情報システム部門が社内のPCを一斉に省電力設定に切り替えることもできる。
マイクロソフトは、NECや富士通などウィンドウズ搭載のPCを販売しているIT大手との連携によりこのプログラムの普及を計画しており、自社サイトでこのプログラムを配布することも検討している。
民間企業の節電支援の動きはこれだけではない。富士通は5月末に、同社のほとんどの企業向けノートPCで利用できる、夜間に充電し昼間は内蔵バッテリーの電源に切り替えるピークシフト機能の専用ソフトを無償配布する。NECはITや空調機器の使用電力をリアルタイムで管理しオフィスの消費電力を2~3割削減できるパッケージ製品を開発する。
節電に貢献しようとしているのはIT業界だけではない。飲料業界では、全国清涼飲料工業会が加盟16社の東京電力管内にある約87万台の自動販売機の今夏までの照明の消灯を続ける方針を決めた。自動車業界は、需要の平準化と取引先の対応の容易性を考慮し、各社が土・日に稼動し平日に週2日連続で一斉休業する案を打ち出している。他にも様々な業界、個々の企業が夜間や休日への生産シフトや設備の関西へのシフトなどを進めている。
節電に貢献しようとしているのはIT業界だけではない。飲料業界では、全国清涼飲料工業会が加盟16社の東京電力管内にある約87万台の自動販売機の今夏までの照明の消灯を続ける方針を決めた。自動車業界は、需要の平準化と取引先の対応の容易性を考慮し、各社が土・日に稼動し平日に週2日連続で一斉休業する案を打ち出している。他にも様々な業界、個々の企業が夜間や休日への生産シフトや設備の関西へのシフトなどを進めている。
各社が知恵を絞り、こうした懸命な努力をしているのはするのは、大規模停電を避けたいというのもあるが、それでけでなく、東京電力による一方的な計画停電も避けたいからだ。3月の計画停電の期間中、弊社のお客様と話していてよく聞かれたのが、「東京電力はもっと製造のことを理解していると思ったが、まったく理解していない。」という声だ。製造ラインでは、段取りや品質維持のため連続稼働が求められる。東京電力の計画停電のように一方的に細かく製造ラインを停止されては、東京電力が考えている以上の影響を受けてしまう。
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株式会社 戦略調達 代表取締役社長
コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます