ローソンは節電対策の一環として店舗でのユニフォームをエプロンに変更する。環境経営の推進には、事業、オペレーション、製品、サービスをもっとシンプルに提供する方法がないかを考えることが効果的。シンプルなビジネス、製品、サービスはシンプルであるが故に扱いやすさや、迅速な対応がお客様に評価される。
ローソンは6月末から、夏の節電対策の一環として、店舗でのユニフォームをエプロンに変更する。この変更は今年6月末~9月末の限定で、対象となるエリアは東京電力、東北電力管内の店舗約3000店舗。6月末より順次導入するという。(流通ニュースの当件の記事では、エプロンのイメージが掲載されている⇒ http://www.ryutsuu.biz/store/d060615.html)
今夏は節電対策でいつもは寒い位のコンビニエンスストアも設定温度を上げるのだろう。そうなると、店内作業の多いスタッフにとっては、より暑く感じるかもしれない。
筆者も学生の時にローソンでバイトをしていたので分かるが、コンビニエンスチェーンのユニフォームはかなりゆったりしており、下に何か着ていないと着心地が良くない。
下に何か着ているのであれば、何もユニフォームでなくて良いのではないか、エプロンで代替できるのではないか。こういったシンプルさを求めた結果が、今回の取り組みの着想ではないか。
一方で、ユニフォームには店舗のイメージをお客様に好まれるものに保つ役割があり、社内でもそれを懸念する声はあっただろう。同社は、エプロンの下は、タンクトップを不可とし、清潔感のあるTシャツやポロシャツなどに規定することで、そのバランスを取ろうとしている。
確かに、事業をしていく上では、お客様の評価など色々と気にしなければならないことは多い。しかし、あらゆるニーズ、声に対応していこうとするとオペレーションはどんどん複雑になり、余計なエネルギー、資源を使う事になりかねない。
お客様の言われた通りに右から左に対応するのではなく、お客様のニーズを見極め、それにいかにシンプルに応えていくかを突き詰めて考える。そうすることは、単に環境経営に資するだけでなく、シンプルであるが故にお客様にとっても扱いやすく、迅速な対応が評価される事業、製品、サービスの提供にもつながる。
震災下にある東京電力、東北電力管内のみならず、浜岡原子力発電所の停止で中部電力管内でも、そして佐賀や福井など安全性への懸念から、定期検査で停止させた原子力発電所の再稼働を現時点では認めていない県が出てきており、電力の供給力に不安が出てきた地域が日本全国に広がりつつある。
日本全国で節電について考えなければならなくなっている状況だが、これを機会に、貴社でも、ビジネス、オペレーション、製品、サービスをもっとシンプルに提供する方法がないか見直してはいかがだろう?
中ノ森 清訓/株式会社 戦略調達 代表取締役社長
調達・購買業務に関わる代行・アウトソーシング、システム導入、コンサルティングを通じて、お客様の「最善の調達・購買」を実現することにより、調達・購買コスト、物流費用、経費削減を支援する傍ら、日本における調達・購買業務とそのマネジメントの確立に向け、それらの理論化、体系化を行なっている。コーポレートサイト: http://www.samuraisourcing.com/
環境調達.com
2011.07.02
2011.06.24
2011.06.21
2011.06.10
2011.06.05
2011.05.30
2011.05.20
2011.05.12
2011.04.28
株式会社 戦略調達 代表取締役社長
コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます