危機の対処に必要なのは、一丸になっての危機の対処への集中

2011.04.05

経営・マネジメント

危機の対処に必要なのは、一丸になっての危機の対処への集中

中ノ森 清訓
株式会社 戦略調達 代表取締役社長

まだ福島第1原子力発電所の事故処理は予断を許さない。また、東京電力管内の電力需給ギャップ解消の目途も立っていない。こうした中で、我々個々人が事態の収束、復興に向け一つにまとまりかけているのに、マスコミがいたずらに人々の不安を煽り、そうした機運に水を差している。脚色がかったニュース番組やセンセーショナルな見出しを見る度に哀しい気持ちになる。

こうした気構えで事に臨めば、多少時間が掛かっても、そうした気迫は他の現場の人間にも伝わり、やがて現場も動き出す。現場が自ら動き出せば、問題が解決するのも時間の問題だ。一方でどんな沈痛な面持ちで美辞麗句を並べても、人を動かすことができなければ、問題は解決しない。

今は、まだまだ非常時だ。調達・購買業務に携わっている方々は、様々なモノの確保に奔走している毎日だろう。化学品や電子部品を中心に、長期の供給停止が予想されるものが既にかなりある。加えて、東京電力管内の電力供給とそれへの対応方法がまだ不透明なことから、これから先、更に供給停止、供給不足となるものが出てくることだろう。

こんな時だからこそ、困難な状況に立ち向かい、結果を出す人間が求められている。多少時間が掛かっても良い。高見の見物を決め込んでいる外野が、「何とかしろ」「調達・購買は何をやっているんだ」とあれこれ言ってくるかもしれないが、そんな戯言は聞くに値しない。こんな状況で具体的な指示や提案でなく、「何とかしろ」「何をやっているだ」程度のことしか言えないのであれば、それは「何とかして下さい」「何をすれば良いのか分かりません。助けて下さい」と懇願しているに過ぎない。この逼迫した状況でそんな中途半端な発言に振り回されている余裕はない。我々、現場を預かる者としては、こんな時だからこそ、上司であっても部下であっても困難に共に立ち向かう者だけを相手にし、危機の対処のみに集中する必要がある。

中ノ森 清訓/株式会社 戦略調達 代表取締役社長

調達・購買業務に関わる代行・アウトソーシング、システム導入、コンサルティングを通じて、お客様の「最善の調達・購買」を実現することにより、調達・購買コスト、物流費用、経費削減を支援する傍ら、日本における調達・購買業務とそのマネジメントの確立に向け、それらの理論化、体系化を行なっている。
コーポレートサイト: http://www.samuraisourcing.com/

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中ノ森 清訓

株式会社 戦略調達 代表取締役社長

コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます

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