部下を持つと、嬉しい反面色々苦労も絶えないものです。とくにパフォーマンスや意欲に問題がある人との面談は気が重いもの。そんな時に使えるのが「フィードバックのコンセントリック(同心円)モデル」です。
柴田課長 「木下君、こないだのプレゼンは、妙に弱気だったじゃないか。
あれじゃダメだよ。最初に、『当社としてもこれまで取り組んだ
コトがない分野ですが…』、なんていわずに、ズバリと『これは
売れます!』ぐらいのことを言った方が良いんだって」
木下君 「はぁ…(この人は分かってくれないよなー)」
というのは、「フィードバックのコンセントリック(同心円)・モデル」を理解してないので×(ペケ)。
むしろ、
柴田課長 「木下君、こないだのプレゼンでは、最初に、『当社としても
これまで取り組んだコトがない分野ですが…』、なんて
弱気だったじゃないか。あれは、何を意図してたんだ?」
と、意図を訊くところから始めましょう。これならば、
木下君 「はい、あれは、突飛な新商品を出す前に、まずは経営陣の
共感を得たいと思って、彼らが心の中で思っていることを
代弁したつもりだったんですが…」
なんて反応が引き出せそう。
さあ、では、木下君の反応に対して、どうフィードバックを返します?パターンはいくつかに別れますよね。
まず、「意図」は正しくても「発言・行動」が間違っている場合。
柴田課長 「そうか…。でも、経営陣の共感を得たいんなら、彼らが
普段から一番期にしていることを題材にした方がいいぞ。
たとえば、『業績アップに何らかの手を打たなければ
ならない』とか」
木下君 「あっ、そう言えば、そうですね」
と、行動の修正を促すことができそうです。
さあ、では、もう一つのフィードバックのパターンは?
そう、「経営陣の共感を得る」という意図自体が間違っている場合です。
柴田課長 「いや、今回の商品は、経営陣と妥協したらぜったいゴー
サインはでないって。むしろ、最初からケンカするつもり
で行った方がうまくいくんじゃないか?」
木下君 「ははぁ、そんなもんですかねぇ。じゃあ、今度は…」
と、これまた建設的な議論になりそうですよね。
よしんば木下君が「経営陣の共感を得ることが大事だ」というポイントにこだわったとしても、「なぜそう思うのか?」、「その根拠は?」と続けていけば、最終的には合意にたどり着けそう。
「フィードバックのコンセントリック(同心円)モデル」は、他にも応用範囲が広いものですが、まずはこんなところから使い始めてみてはいかがでしょうか?
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