最近ブームの「勉強会」。会社の枠組みを超えていろんな人が集まって、興味を持つテーマでディスカッションするので、スキルアップにはもちろん、人脈作りにも役立つのが人気の秘密だとか。 ただ、実際に参加してみると、「あたりはずれ」が多いですね。 ときには「この人何言ってるんだろう?」とシラけてしまうこともあって、つまりは、勉強会にいくならば、「人に分かってもらえる話し方」を身につけるのが作法というもの。
「え~、そうは言っても…」と、人前で話すことが苦手な人にも出来る、ごく簡単な方法を紹介しましょう。
それは、相手に質問を投げかけて、一呼吸おいてから話し始めること。
具体例で見てみましょう。先日参加した経済に関する勉強会で、こんな発表がありました。
「日本経済の一番大きい問題って、なんだと思います?… いろいろあるん
ですが、デフレが解決しない限り、日本経済の再生はないと私は思って
います。なぜかというと…」
思わず引き込まれる話し方というのは、こういうのを言うのでしょう。
標準ビジネスファシリテーターモデルでは「分かりやすい説明のQP法」と言っていますが、
質問を投げかけて (Question)
0.7秒間ポーズをおいてから (Pause)
大事な論点を話すという方法ですが、これだけで聞き手が「分かった!」と思ってくれること間違いなしですから、ぜひ試してみてください…
なんて言ってると、「本当に効くの?なんか、シンプルすぎる気がするけど?」なんて疑問を持つ人もいるかもしれませんが…実は、シンプルさの背後には、聞き手を納得せしめる理論があるところが「QP法」が本当に役立つところなのです。
ということで、そもそも人はどんなときに「分かった!」と感じるのか、そんな根本的なところから考えてみましょう。
とくに、オトナを対象とした教育の場合は、聞き手もそれなりの知識を持っていることが前提なので、簡単に「分かった」と言ってくれるわけではありません。自分としては大事な論点を伝えたつもりが、「へぇ、そう」とあっさりスルーされてしまうことって、誰しも経験したことはあるでしょう。
では、キーは何か?というのが、「すでに頭の中に持っている知識と新たな知識が結びつく」こと。聞き手がオトナの場合、既にその頭の中には様々な知識が相互に結びついてネットワークを形成していて、それはあたかも一つの地図が描かれているようなもの。いわば、「脳内マップ」ですね。
新たな情報がその「地図」のどこに位置づけられるのか、すなわち、「既知」のどの情報と関連するのかを理解できた時、「分かった」と感じられるのです。
この前提で「QP法」をもう一度見直してみると…。一見シンプルな方法論の背後で聞き手の脳内マップを操作しているのが分かります。
つまり、Q、すなわち質問を投げかけることで、これからどの既知の情報に関連する(脳内マップで言えばどのエリアの)話をするか心の準備をさせたうえで、Pでポーズをおくことによって、聞き手に自分自身の脳内マップをスキャン<走査>して、新たな情報を定位する用意をさせている…これが、「QP法」の本質です。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
ビジネスファシリテーター
2011.02.04
2011.01.20
2011.01.21
2010.09.01
2010.08.09
2010.05.17
2010.04.02
2010.03.23
2010.03.15