公正取引委員会が、ソーシャルゲームサイト「モバゲータウン」を運営するDeNA(ディー・エヌ・エー)に対し、独占禁止法違反の疑いがあるとして、立ち入り検査を行った。今回は、このケースを基に、場の提供モデルにおけるサプライヤとの関係のあり方について学ぶ。
お客様と考えれば、ゲーム開発会社を自陣に引き込むのに、ゲーム開発会社への収益分配モデルやお客様の獲得支援、ゲーム開発環境の整備など、圧力とは異なるアプローチが必要であることはすぐ理解できよう。また、圧力によるサプライヤの囲い込みでは、本来は自陣に引き込むべき力のあるサプライヤ程、その場に頼る必要がないので逃げてしまうという側面があることも忘れてはならない。
この様にしてみると、公取委の調査が入らなくても、現在の会員数をバックに圧力に頼むやり方をしていては、遅かれ早かれゲーム開発会社が、特に力のあるゲーム開発会社から離れていったであろう。
DeNAが、今回サプライヤ戦略を誤ったのは、グリーとの激しい競争によるあせりか、それともこれまで自社開発中心でやってきたため調達の事が分かる人材が不足していたからかは分からないが、何れにせよ、DeNAにとっては、今回の公取委の調査はそのサプライヤ戦略を正す良い機会と言えよう。
中ノ森 清訓/株式会社 戦略調達 代表取締役社長
調達・購買業務に関わる代行・アウトソーシング、システム導入、コンサルティングを通じて、お客様の「最善の調達・購買」を実現することにより、調達・購買コスト、物流費用、経費削減を支援する傍ら、日本における調達・購買業務とそのマネジメントの確立に向け、それらの理論化、体系化を行なっている。
コーポレートサイト: http://www.samuraisourcing.com/
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株式会社 戦略調達 代表取締役社長
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