トヨタ自動車の人材育成に向けた残業解禁がある日の日経1面トップ記事を飾った。こんな当たり前のことがニュースになるのは、それはさすがトヨタ、日本へのインパクトの大きさからか。 そもそも一律残業禁止などおかしな話が出るのは、金融恐慌のせいだけではなく、企業の支出、コストに対する誤った考えがあるからではないか。今回はこの問題を採り上げる。
投資としての企業の支出には色々な回収の仕方がある。短期的に回収するのか、長期的に回収するのかといった時間の違いや、売上として、時間短縮として、信用として、コスト低減による利益として、従業員の志気向上として等々、回収の方法にも沢山ある。
費用をコストではなく、投資と捉えなおすと、一律にコストを削って必要な投資まで抑えてしまうという安直な間違いは犯さなくなる。リターンを生まないもの、他の投資に比べて収益への貢献度が低い費用については、ちまちまそれを削るのに多大な時間(=費用)を掛けるのでなく、支出、つまりアクティビティそのものをバッサリ削ぎ落とすという大胆な発想も生まれてくる。
単純に費用を削るのは簡単だが、これでは、企業が進むべき方向に進む力を失ってしまう。使える支出が限られている中で、これらのどこに投資すべきか、経営者、仕様決定者、調達・購買担当者の腕の見せ所だ。
「企業におけるあらゆる支出は投資であるべき。」
「ここで使うお金はいつどういう形で回収するか。」
あなたが会社で何らかの支出を行う時、コスト削減や経費削減について検討、議論する時には、これらの言葉を是非、思い出して頂きたい。中ノ森 清訓/株式会社 戦略調達 代表取締役社長
調達・購買業務に関わる代行・アウトソーシング、システム導入、コンサルティングを通じて、お客様の「最善の調達・購買」を実現することにより、調達・購買コスト、物流費用、経費削減を支援する傍ら、日本における調達・購買業務とそのマネジメントの確立に向け、それらの理論化、体系化を行なっている。
コーポレートサイト: http://www.samuraisourcing.com/
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株式会社 戦略調達 代表取締役社長
コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます