トイ・ストーリー3にあって、踊る大捜査線THE MOVIE3にないもの。

2010.07.18

ライフ・ソーシャル

トイ・ストーリー3にあって、踊る大捜査線THE MOVIE3にないもの。

中村 修治
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

いま公開中の『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』の評価が極めて悪い。 同時期に『トイ・ストーリー3』をやっているものだから、どうしても同じシリーズ3作品目として見比べてしまう。

Yahoo!の映画掲示板での総合評価は、
『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』は、5点満点で2.45点。
一方、『トイ・ストーリー3』は、4.76点。ほぼダブルスコアで『トイ・ストーリー3』に軍配が上がっている。
シリーズ2前作のYahoo!の総合評価は、『踊る大捜査線 THE MOVIE2』が3.02点。『トイ・ストーリー2』は4.53点。その差は、さらに今回拡がったわけである。

共に人気でコアファンの存在するシリーズ3作品目。『踊る大捜査線 THE MOVIE3』は、前作から7年ぶり。『トイ・ストーリー3』は、10年ぶり。ファンにとっては、待ちに待った封切りであるのに・・・。そこで、その真意を確かめるべく夏休み前に、この2本の映画をはしごして観てきた。

やるたびに劣化していく『踊る大捜査線』。


映画の進行に必要ない出来事が多すぎ。
ご都合主義の登場人物が多すぎ。
伏線をはった事件の意味がない→脚本がずさん。
興行収入100億円を見込む日本映画が、本当にこれでいいのだろうかというのが正直な感想である。少なくとも『踊る大捜査線』の映画版1作目は、面白かった。その証拠に、Yahoo!の総合評価は、3.97点。それが、シリーズ3作目にして2.45点に劣化しているわけである。映画である。エンターティメントである。少々、辻褄の合わないところも見逃す。しかし、今回のお手盛り感は、言い訳できないレベルにある。

そもそも、『踊る大捜査線』は、織田裕二扮する脱サラした警官=青島がサラリーマンとしての経験を活かして、警察の官僚的構造を事件の現場から突き動かしていくというところが主題であったはずだ。それが、シリーズ3では、木っ端みじんに吹っ飛んでいる。ファンの願う『踊る大捜査線』ではなく、良くも悪くもテレビ局がタレントの都合を優先してつくった映画にしかなっていない。

『トイ・ストーリー』は、ピクサー社。『踊る大捜査線』は、フジテレビ。台所事情も、制作体制も違うから、比較しても無駄だとは思うが・・・もう少し、やりようがあるだろう。本質的に、何かを間違っている。

やるたびに成長する『トイ・ストーリー』。


『トイ・ストーリー3』は、好評である。どの掲示板を観ても、とても暖かいコメントが寄せられている。観て損はない。

シリーズ3では、ウッディやバズライトイヤーのおもちゃの仲間とその所有者であるアンディの別れを描いているわけだが、、、その脚本の作り込み方、手抜きのない画質には、あいかわらず感服である。

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中村 修治

有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。 その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。

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