エコタイヤというと、燃費向上への貢献が注目されがちですが、タイヤ版野村再生工場ともいうべき、タイヤの寿命を延ばすことに着目し、環境負荷低減に取り組んでいる企業があります。 それがミシュランです。 今回は、ミシュランのタイヤ延命、再生技術から、環境経営の着想のヒントを得ていきます。
プロ野球の野村克也楽天ゴールデンイーグルス前監督は、伸び悩む選手や他球団で戦力外となった選手を、コンバートや起用法を変え活躍させたことから、「野村再生工場」と呼ばれていました。
古い所では、南海監督時代に阪神から江夏を獲得、先発に拘る彼を抑えに転向させ、結果、江夏は最多セーブ投手のタイトルを獲得。ヤクルトでは、その再生工場ぶりを存分に発揮し、古田が入団し出番がなくなった野手にコンバートされた秦、飯田、故障から復帰した荒木、他球団から移籍してきた新浦、角、吉井、小早川、田畑、辻など、野村監督の起用法により単に選手寿命を延ばすどころか大活躍し、3度の日本一、4度のリーグ優勝に大きく貢献した選手は少なくありません。
楽天でも、オリックスを解雇された山崎選手、中日で芽が出なかった鉄平選手の活躍が記憶に新しいところです。
エコタイヤというと、燃費向上への貢献が注目されがちですが、タイヤ版野村再生工場ともいうべき、タイヤの寿命を延ばすことに着目し、環境負荷低減に取り組んでいる企業があります。それがミシュランです。今回は、ミシュランのタイヤ延命、再生技術から、環境経営の着想のヒントを得ていきましょう。
ミシュランのタイヤ延命、再生技術は、トラック・バス用になりますが、大きく分けて、「リグルーブ」「リトレッド」「ロングライフ」の3つがあります。
■リグルーブ
リグルーブは、摩耗が進み溝が浅くなったタイヤに、リグルーバーという専門工具で再び溝を刻む技術です。同社によるとリグルーブにより同社のタイヤの走行寿命を最大25%延ばすことができるとのことです。
リグルーブは、日本では新品タイヤを使い捨て商品として低価格で販売するモデルを他のタイヤメーカが取っているため、あまり普及していませんが、欧州では当たり前となっている手法です。
また、摩耗が進んだタイヤは、トレッド(タイヤが路面と接地する部分)の変形が少なく発熱が抑制され、転がり抵抗が減るため、燃費を最大で6~10%改善しますが、リグルーブには、磨耗による燃費改善の効果を長続きさせるというメリットもあります。
■リトレッド
リグルーブはタイヤが路面と接地する部分のトレッドに溝を彫り直す技術ですので、幾ら同社がタイヤのトレッドを厚くしているといっても、やがては限界が来ます。
リトレッドは、薄くなったトレッドを張り替えて、それ以外の部分、台タイヤ(ケーシング)を再利用、延命させるというもので、巷で再生タイヤと呼ばれているものです。
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株式会社 戦略調達 代表取締役社長
コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます