環境経営というと、排出権取引など国際的なスキームが取り沙汰されがちですが、果たして、そうした大上段の取組みがどれだけ成果を上げるのでしょう? 今回は、ちょっと目を転じて、お客様の立場でもう一歩踏み込んで考えることにより実現できる環境経営の取組みを紹介します。
千趣会が、環境月間キャンペーン企画として、6月より1ヶ月間、カタログ通販のベルメゾンの商品を、収納BOX等に転用できるよう可愛いデザインを加えた特別仕様のデザインダンボールで届けるとのことです。(出所:同社プレスリリース)
デザインには、絵本やイラストレーション・アニメーションをはじめ、テレビ番組で工作指導もしている注目のデザインユニットtupera tupera(ツペラ ツペラ)を起用し、オリジナルデザインを施した本格的なものです。個数としても約33万枚のダンボールを用意しているとのことで、かなり力を入れたキャンペーンとなっています。
今回の取組みが面白いのは、普段なら商品配送後に捨てられてしまうダンボールに、敢えてデザインを施し用途提案することで価値を与え、捨てにくくしているところです。
包装における環境負荷削減の取組みは、薄肉化、軽量化、リターナブルなものにするリユース、リサイクルなどが中心ですが、使用後の別用途の提案による延命というのも、一つの切り口です。
実際、個々人のレベルでは、ペットボトルをプランターに転用するなど、使用済みの容器や包装を様々な用途に活用する工夫がされています。そうした生活の知恵をくみ上げ、そうした活用がされやすくするというのも、商品やサービスを提供する側の価値提案のあり方なのかもしれません。
地球温暖化対策などと大上段に構えるだけでなく、お客様の立場になって、その商品を届けた後のことを考える、このちょっとした配慮、思いやりがあればできることは、まだまだ沢山あります。国際会議で大規模な仕組みを作ろうと堂々巡りの議論をするよりも、個々の企業がもうちょっとお客様や地球環境を思いやる、そうした姿勢を持ち続けることが環境経営であり、より早く問題解決につながる気がします。
今回の千趣会のささやかな思いやりがお客様に伝わると良いですね。
中ノ森 清訓/株式会社 戦略調達 代表取締役社長
調達・購買業務に関わる代行・アウトソーシング、システム導入、コンサルティングを通じて、お客様の「最善の調達・購買」を実現することにより、調達・購買コスト、物流費用、経費削減を支援する傍ら、調達・購買活動から環境経営に貢献する方法は数多くあると、環境負荷を低減する商品・サービスの開発やそれを支える優良なサプライヤの紹介など環境調達に関する情報発信活動を行っている。
コーポレートサイト: http://www.samuraisourcing.com/
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株式会社 戦略調達 代表取締役社長
コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます