前編では、「世の中の変化」ということで、マクロ分析とそのための準備についてお話しました。後編では、「自分の会社の将来展望と環境」についてと、前編後編のまとめ「自分自身の強みと弱み」についてお話します。
そして、今現在の評価だけに汲々とするのではなく、来期、再来期の評価をよくするための行動を今しておく、ということができるビジネスマンの基本条件です。
あらかじめ種をまいておかなければ収穫はできませんし、将来に向けて肥料をやっておかなければ豊な実りはないということです。
そして、評価内容は、他人と比べて一喜一憂するのではなく、前の自分と比べることに意識を集中することが大切です。
基準をよそに置いていると、行動も他人を意識した借り物や物真似のものになってしまいます。
昨日より今日、今日より明日と、自分の中での成長に集中すると、自分ならでは取り組みを考えることにつながるのです。
着実な成長の歩みをするためには、他人と比べず、昨日の自分と比べることを肝に銘じてください。
■□■ 自分自身の強み弱み ■□■
前編の「世の中の変化」と後編の「所属している会社の将来展望を含めた環境」の変化を予測した時に、自分自身の現在の強み&弱みをどう変化させていけばいいのか。
いつどんな事態になっても生きていける自分を作っていくためにすべきことは、常に自分の「強みを伸ばし」「弱みを補強すること」に具体的に取り組むことです。
「強みに着目して、それを伸ばしていけばいい」というのは、嘘です。
本当に仕事ができる人になるためには、苦手なことを克服したり、弱みと思っているところを補強していくことはどうしても必要なんです。
自分の弱点から目を逸らすことはできません。強みだけでやっていけるなんて、幻想です。
マーケティングの分析フレームの中に、SWOT分析(スオットぶんせきと読む)という手法がありますね。名前だけは誰でも聞いたことがあると思います。
SWOTは、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の頭文字を取ったもの。
組織のビジョンや戦略を企画立案する際に利用する現状を分析する手法の一つだ。
自社の強みと弱み、そして機会と脅威のマトリックスで、今後の戦略の打ち手を場合分けに基づいて、慎重に立案していこうとする手法です。
実はこの分析フレームは実に大雑把なもので、企業戦略の立案にはほとんど役には立たないのですが、私は、自己分析にこそ使えるフレームだと思っています。
「自分SWOT分析」をすることを勧めたいと思います。
1と2の、マクロに世の中を観る目と、会社や事業の先行きや、社内環境の変化を機会と脅威ととらえて、自分自身の強み・弱みとの関連を分析する。
自分自身をマーケティングする視点を持つことが、5年後の理想像への近道だと思うのです。
(初回2010年6月2日掲載)
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今野 誠一
株式会社マングローブ 代表取締役社長
組織変革及びその担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。 設立以来15年、組織変革コンサルタント、ファシリテーターとしてこれまでに約600社の組織変革に携わっている。