前回の記事で「5年後の成功イメージを持つ」ことの必要性についてお話しました。描いただけでうまくいくわけではありません。必ず、行く手を阻む「障害」となることが立ちはだかるわけです。今回は、「障害」を上手に乗り越えるための方法を前編・後編に分けてお話します。
マクロ環境に関して考えるときには4つの切り口でその変化を注視していく必要があると言われ、政治的環境要因(Politics)、経済的環境要因(Economic)、社会的環境要因(Social)、技術的環境要因(Technology)の頭文字をとって「PEST分析」とマーケティングの世界では呼ばれています。
これからは、マーケティング部門の専門家だけではなく、一人ひとりがマクロ分析に関心を持ち、自分の生き方を考えるためにも、注意深く見ていかなくてはいけない時代なんだと思います。それだけ変化が早くて激しいということ。自分の業界、自分の会社、自分の仕事がもろにその影響を受けてしまう時代だということです。
P= Political:政治的な影響はどんなことが考えられるか。手がけているビジネスの関連法案や関連規制などの見通しを持つこと。
E = Economical: 全体の経済環境はどなっていくのか?とりわけ自社を取り巻く経済環境はどうなのか。業界ごとに見ていかないと、好景気か景気悪化かという単純な軸では判断できない複雑さがある。
S = Social: 経済情勢に加えて、社会情勢全般もビジネスに大きな影響を与えるのは当然のこと。人口の先行き見通し。人口ピラミッド。世の中を騒がせている社会問題の傾向などを考慮する。
T = Technological:技術的な側面の現状と将来はどうなのか。手がけているビジネスにとって優位な技術、脅威となる技術などを明確にしておくこと。
情報を得る時に、漠然と得るのではなく、PESTの分野を頭の中で整理しながら見ていくことが必要かもしれません。
さて、こうしたマクロ分析を自分なりにしていくためには、そのための準備が必要です。
①新聞を熟読する
私が若い頃にやっていたことの一つに、新聞の熟読があります。
今は、立場柄自分の自由になる時間がほとんどないので無理なのですが、若手社員にはぜひとも勧めたいと思います。
見出しだけの漠然とした読み方では絶対に世の中のことが分かるようにはなりません。
全部のページを読む時間が取れないのであれば、必ず読む面を決めて、その面は一言一句もらさずに熟読することです。
その上で本当は、自分が興味を持った用語、分からなかった用語を書き抜ければ一番いいが、その時間がなければ、ひたすら読むだけでよいのです。
最初は意味がわからなくて、興味が持てなくてつらい状態が続きますが、そこを我慢しきって三ヶ月ほど続けていると、不思議な体験をすることになります。
山に登って下界の景色を見ていて、霧がかかっていたのが、サーッと晴れていくように、書いていることが理解できるようになってきます。
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今野 誠一
株式会社マングローブ 代表取締役社長
組織変革及びその担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。 設立以来15年、組織変革コンサルタント、ファシリテーターとしてこれまでに約600社の組織変革に携わっている。