敗戦処理指揮官の心構え「ゲゲゲの女房」は敗戦か?

2010.04.17

仕事術

敗戦処理指揮官の心構え「ゲゲゲの女房」は敗戦か?

増沢 隆太
株式会社RMロンドンパートナーズ  東北大学特任教授/人事コンサルタント

仕事にまじめに取組めば取組むほど「失敗」する数も増えます。「絶対に失敗しない」ことを目指すなら、「何もしない」のが一番。絶対失敗しない方法はそれしかないでしょう。しかし敗色濃厚な戦いでも、指揮官は必要なのです。

NHKは小手先の小細工に走ることなく、淡々と、粛々と、「ゲゲゲの女房」を作って行けば良いのではないでしょうか。視聴率不振の原因はやはり大きく、放映時間変更というファクターは「朝ドラ」というコンテンツのプロダクトベネフィットに影響があるでしょう。時計代わり、長年の習慣というベネフィットは、NHKが放映時間を変えたから出勤時間を変えることは出来ないように、大きくマイナスに作用することは、「あらかじめ」予想できたはずです。NHKはしていたと思います。

つまりこの低視聴率は今最先端のナウい言葉で言えば「想定の範囲内」でしょう。もちろんこれが民放であれば1回低レート取っただけでプロデューサー大騒ぎでしょうが、そこはNHK。視聴率縛りの無い良さが発揮できるところです。
ちなみに放映第1週に比べ、第2週は最高視聴率も1ポイント近く上がったようです。第2週の見合い&嫁入りは、見た視聴者なら次を見ずにはおれない展開でした。

ネットニュースでわいわい言う層がNHK朝ドラをしっかり見る層、と同じでしょうか?マーケティングにおける洞察は、しっかりとした仮説構築とその検証が必要です。
私は、「ゲゲゲの女房」が第2のおしんになるだろうことを、ここに予想いたします。
後半はウソ。おしんには絶対なれないです。しかし尻上がりに視聴率はついて来ると予想します。朝のライフスタイルが朝ドラには重要なファクターです。ここが変わるには正に一朝一夕では不可能です。

話題作りで人気歌手を出したり、演技も出来ない若手俳優を急遽起用、なんて、敗戦であわてるダメ指揮官みたいなことをしないよう、どこまでNHKが耐えられるか。それに成功はかかっていると言えるでしょう。

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増沢 隆太

株式会社RMロンドンパートナーズ  東北大学特任教授/人事コンサルタント

芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。

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