「紙のマニュアルを無くすことを考える」から始める環境経営

2010.04.08

経営・マネジメント

「紙のマニュアルを無くすことを考える」から始める環境経営

中ノ森 清訓
株式会社 戦略調達 代表取締役社長

あるマニュアル制作会社の方から、マニュアルに関わる費用は売上の約5%との話を伺いました。 今回は、この印刷・制作などのマニュアル関連コストを大幅に削減しつつ、お客様の満足を高め、環境経営を実現する方法についてご紹介します。

このように考えると、そもそも、マニュアルは、営業チャネル、製品・サービスのデザイン、サポートチャネルなどと並ぶお客様とのコミュニケーションチャネルの一つに過ぎないということが見えてきます。

「紙のマニュアルを無くすことを考える」ことを通じて、それぞれのお客様との接点を含めた役割分担を見直すことで、紙のマニュアルは完全には無くならないでしょうが、大幅に減らすことが可能になります。

しかし、このマニュアルに関わるコストは、多くは、技術・開発を中心とした各部門、ないしは、製品・サービス毎の開発チームに任せられており、バラバラの管理がなされている、もしくはあまり管理されていないのが一般的です。

ですので、スタートは、マニュアルを部門、製品・サービス毎ではなく、それらを超えたトータルでかつそのライフサイクルを管理することからです。技術的には、マニュアルに関する情報を一元管理し、そこからwebへの配信や、少部数のオンデマンド印刷に対応したサービスも出てきています。

まずは、紙のマニュアルを無くすことを考えてみる。そして、そこから生じるであろう問題について、営業チャネル、製品・サービスのデザイン、サポートチャネルの何れで対応すべきかを考える。そうすることにより、お客様の満足を高めつつ、大幅にマニュアル関連費用を削減し、かつ、紙資源や運送エネルギーの消費も減らせる環境経営への道が、自ずと見えてきます。

わたしも今回の話を聞くまで、マニュアル制作費用は一部消費財メーカだけの問題と考えていました。先入観は思考を停止させてしまうものです。そういった意味からもマニュアル関連コストを「削る」のではなく、マニュアルそのものを「無くす」ことを考えた方が、発想のタガが外れて、お客様本位の解決策が見出せるのではないでしょうか。

※以上は、掲載企業からの情報や一般に公開されている情報を基に、参考情報として、弊社の視点で編集したものです。掲載企業との取引や契約については、あなたの判断に基づき行って下さい。掲載企業との取引や契約についてのトラブルについては、弊社では一切責任を負いませんので、あらかじめご了承下さい。

※本稿は、弊社が発刊している「環境調達.com」の記事を編集・加工したものです。「環境調達.com」は、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例などを紹介しています。貴社の事業、製品、サービス、オペレーション開発の参考にして頂ければ幸いです。最近の記事のバックナンバーの閲覧やご購読は、www.samuraisourcing.com/service/green/green/greensourcingcom.html にて行えます。)

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中ノ森 清訓

株式会社 戦略調達 代表取締役社長

コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます

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