あるマニュアル制作会社の方から、マニュアルに関わる費用は売上の約5%との話を伺いました。 今回は、この印刷・制作などのマニュアル関連コストを大幅に削減しつつ、お客様の満足を高め、環境経営を実現する方法についてご紹介します。
このように考えると、そもそも、マニュアルは、営業チャネル、製品・サービスのデザイン、サポートチャネルなどと並ぶお客様とのコミュニケーションチャネルの一つに過ぎないということが見えてきます。
「紙のマニュアルを無くすことを考える」ことを通じて、それぞれのお客様との接点を含めた役割分担を見直すことで、紙のマニュアルは完全には無くならないでしょうが、大幅に減らすことが可能になります。
しかし、このマニュアルに関わるコストは、多くは、技術・開発を中心とした各部門、ないしは、製品・サービス毎の開発チームに任せられており、バラバラの管理がなされている、もしくはあまり管理されていないのが一般的です。
ですので、スタートは、マニュアルを部門、製品・サービス毎ではなく、それらを超えたトータルでかつそのライフサイクルを管理することからです。技術的には、マニュアルに関する情報を一元管理し、そこからwebへの配信や、少部数のオンデマンド印刷に対応したサービスも出てきています。
まずは、紙のマニュアルを無くすことを考えてみる。そして、そこから生じるであろう問題について、営業チャネル、製品・サービスのデザイン、サポートチャネルの何れで対応すべきかを考える。そうすることにより、お客様の満足を高めつつ、大幅にマニュアル関連費用を削減し、かつ、紙資源や運送エネルギーの消費も減らせる環境経営への道が、自ずと見えてきます。
わたしも今回の話を聞くまで、マニュアル制作費用は一部消費財メーカだけの問題と考えていました。先入観は思考を停止させてしまうものです。そういった意味からもマニュアル関連コストを「削る」のではなく、マニュアルそのものを「無くす」ことを考えた方が、発想のタガが外れて、お客様本位の解決策が見出せるのではないでしょうか。
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株式会社 戦略調達 代表取締役社長
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