給料が安くて、やる気が出ません。

2010.03.05

組織・人材

給料が安くて、やる気が出ません。

新田 龍
株式会社ヴィベアータ、株式会社就活総合研究所 代表取締役

「給料が安い」というのは現実に起こっていることですから、それ自体は変えられません。変えられるのは「その事実をどう解釈するか」という、我々のスタンスだけなんですね。

表題のような相談、これまで何千回受けてきたことでしょうか。 
年齢、性別、業界、職種など関係なく、ほぼすべてのビジネスパーソンが感じているであろう、この不満。 事実、筆者もサラリーマン時代は「こんなに働いて会社に貢献してるのに、なんでこれだけなんだろう…」などとよく思っていたものです。

●事実といかに向き合うかが重要

「給料が安い」というのは現実に起こっていることですから、それ自体は変えられません。変えられるのは「その事実をどう解釈するか」という、我々のスタンスだけなんですね。

給料が安いことに不満をもらす人は決まって、事実に対して「Why?」と考えます。
すなわち、

「なんでこんなに安いんだよ!?」
「なぜ上司はちゃんと評価してくれないんだ!?」
「どうしてこんな会社に入っちゃったんだろう!?」…  

確かに、自分ではない「他の誰か」のせいでこんな状態になってしまっている、と考えれば気は楽かもしれません。 でもそれでは根本的な問題解決にならないので、いつまでもくすぶった気持ちが残りがちです。 これは精神衛生上もよくありませんよね。

一方で、ハッピーに仕事ができている人は、こんなときどう解釈しているのでしょうか。

彼らは、状況を打破できるのは自分のスタンスと行動次第であることを知っています。 そして、「Why?」ではなく「How?」と考えている、という共通点があるのです。 すなわち、

「どうしたら、この状況を抜け出せるだろう?」
「なぜ現状の仕事で評価されてないのか? 上司にキッチリ確認してみよう」
「給料を増やすにはどんな手段がとれるだろう? いろいろと考えてみよう」

筆者が上司であれば、給料が少ないと不満をもらす部下より、「How?」と考えられる部下を評価することでしょう。 恐らく、そのスタンスは給料だけでなく、仕事を含め、社会生活の様々な事象に対しても同じように発揮されているに違いありませんから。

「仕事がうまくいかなかった… ウチはなんでこんな商品を出すんだよ!」
「仕事がうまくいかなかった… どうすればうまくいくだろう? 次はこうしよう…」

●資本主義経済社会のルールとは?

この2種類のスタンスの違いは、そのまま「社会に対する視点の違い」と言い替えられるかもしれません。 

・自分目線では、確かに「給料が安い」。 
 しかし会社にとっては、社会保険料や会社経費、バックオフィス部門の
 維持費などを考えると、「年収の3倍は稼いでもらわないと割に合わない
 という事実

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新田 龍

新田 龍

株式会社ヴィベアータ、株式会社就活総合研究所 代表取締役

キャリア教育プロデューサー ブラック企業アナリスト 大学講師 HRMストラテジーコンサルタント JCDA認定キャリアデベロップメントアドバイザー 日本キャリア開発協会、東京商工会議所会員 早稲田大学卒業後、東証一部上場企業で経営企画、事業企画を経験。 その後人材サービス大手企業にてコンサルタントおよび人事採用担当等を歴任。 現在は人事戦略とキャリア教育に関するコンサルティング会社を2社経営。

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