2009.07.16
コピー取りをバカにしている人へ
新田 龍
株式会社ヴィベアータ、株式会社就活総合研究所 代表取締役
「誰でもできる仕事」の代表格としてネガティブなイメージが定着してしまった「コピー取り」ですが、とんでもない。コピー取りは大事なんです。 コピー取りとどう向き合うかによって、その後の社会人人生が大きく変わるといっても過言ではありません。
新入社員が最初に経験する仕事、ルーティンな仕事、つまらない仕事の代表格といえば・・・ そう、「コピー取り」ですね。
ビタミンCの分量を「mg」ではなく「レモン○個分」などと表現するように、今や「コピー取りも満足にできない」という表現は「仕事のレベルが著しく低い」ことと同義です。
「すらできない」とか「さえできない」なんて言葉とセットで使われることが多いため、すっかりネガティブなイメージが定着してしまった「コピー取り」ですが、とんでもない。コピー取りは大事なんです。 コピー取りとどう向き合うかによって、その後の社会人人生が大きく変わるといっても過言ではありません。
●あなたならどう答えるか?
ネット上の相談室を見ていたら、こんな質問がありました。
「コピー取りもできない奴に仕事は任せられない!と言うけれど、説教にしか聞こえません。仕事ができる人は全員コピー取りも上手なんでしょうか。本当のところを教えてください」
さあ、皆さんならどうお答えになるでしょうか。 ちょっと考えてみてください。
●コピー取り、2人の対応
では仮に上司が、全く同じ内容のコピー取りをA君とB君それぞれに同じタイミングで依頼したとします。
B君は、「なんで自分がやらなきゃならないんだ!」と不満です。とりあえず自分の急ぎの仕事を片付けてから、空いた時間に適当に対応して、上司の机に置いておきました。
A君は、「自分が選ばれたんだから、期待に応えよう」と考えました。 そこで、まずは上司に確認します。 いつまでに何部必要なのか、誰が何に使うためなのか、印刷の体裁は、端は留める必要があるのか・・・などなど。 その上で見やすく整え、予備の分も考慮してコピーをとり、上司に手渡せるタイミングを見計らって、その場で確認をとりました。
もちろんA君の方が望ましい対応をしているわけですが、どのように説明すれば、皆にA君のような行動をとってもらえるんでしょうか。
●仕事の依頼者の視点から考えてみる
この場合、依頼主である上司の目線で考えてみると分かりやすいでしょう。
B君に対して、上司は「あぁ、やる気がなかったんだな」とは絶対思いません。
「あぁ、彼はコピー取りさえできないんだな」と思うんです。 当然ながら、「できない人」に次の仕事は与えられません。 B君は「ずっとこんな仕事ばかりか・・・」とひとりごちますが、「それさえできない」と思われている以上、状況は変わらないでしょうね。
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新田 龍
株式会社ヴィベアータ、株式会社就活総合研究所 代表取締役
キャリア教育プロデューサー ブラック企業アナリスト 大学講師 HRMストラテジーコンサルタント JCDA認定キャリアデベロップメントアドバイザー 日本キャリア開発協会、東京商工会議所会員 早稲田大学卒業後、東証一部上場企業で経営企画、事業企画を経験。 その後人材サービス大手企業にてコンサルタントおよび人事採用担当等を歴任。 現在は人事戦略とキャリア教育に関するコンサルティング会社を2社経営。