13日(金)から来日するオバマ大統領。 さっそく鳩山首相と首脳会談に臨むようですが、報道にあるように普天間基地問題がアジェンダ<討議内容>から外れたとすれば、日本に関する重要事項は、オバマさんの胸中にはないはず。 ところが、迎える立場の鳩山首相は、熱烈歓迎とでもいわんばかりにオバマ大統領の訪日を待ちこがれているでしょう。その隠されたもくろみは…
まずは、オバマ大統領と鳩山首相の置かれた状況を、「政治力」という観点からおさらい。
二人に共通するのは、大きな国内問題を抱えていること。鳩山首相の八ッ場ダム、JAL、献金問題は報道によって良く知られてますし、オバマ大統領はヘルスケア改革法案が年内に実現できないと鼎の軽重を問われることになりかねません。
となると、外交問題でポイントを稼ぎたくなるのは人情というもので、どちらも友好ムードを演出し、問題がくすぶっている日米関係を強固にした、とのアピールをすることが今回のオバマ訪日の目的でしょう。
…
と想像するのが普通の感覚。
こと政治力、と言う観点では、鳩山首相は実は隠れた目的を持っているはず。それは…
ズバリ、オバマさんの「虎の威」を借りて、民主党内の権力闘争に勝つこと。まぁ、勝つまではいかなくても、なんとか少しでも盛り返したいと思っているでしょう。
というのは、民主党内の権力が小沢幹事長に集中しているのは誰もが知るところ。「チルドレン」と呼ばれる新人議員を多く味方にして「数の論理」で圧倒的優位に立ち、選挙に勝てるという「専門スキル」も持ち合わせていて、それだけでも党内での影響力の強さが想像できます。
しかも、鳩山さんとしては、なんと言っても人事権を小沢さんに握られているのが痛い。閣僚ポストを初めとして様々な「リソースを配分する権利」が小沢さんの手中にあるようなもので、上述のポイントとあわせると、「政治力の五大源泉」のうち三つまで圧倒的に小沢さん優位です。
となると、鳩山さんが構築できる政治力の源泉は限られていて、「公式な権威を借りる」ことに集中するのは、ある意味正しい戦術と言えるでしょう。
そして、オバマさんの訪日は、そのための絶好のチャンス。
なんと言っても日本での人気は圧倒的ですからね、オバマさん。その人と、ファーストネームで呼び合う関係を構築できれば、それだけで鳩山さんの株は上がるというもの。
なので、きっとこの訪日期間中は、「バラク」、「ユキオ」と二人が親しげに会話している報道が多数見られると想像します。ファーストネームで呼び合う関係、普通の人にはちょっとこそばゆいですが、良いか悪いかは別にして舶来ものを尊ぶ精神は遣隋使の時代から連綿と続く日本の伝統。
「あら、鳩山さん、すごいわねぇー」
なんて感想を持つ人がたくさん出てきて、鳩山さんは、「してやったり」となるのではないでしょうか。
社内政治に絶対負けない法
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