先の選挙で「歴史を変えた」民主党だが、勝利の余韻に浸っている間はない。自民党よりよっぽど強大な「敵」を倒さない限り、国民への約束は果たせないのだ。その最大の問題点は…
8月の衆議院選挙で、308議席という歴史的勝利を収めた民主党。なにやら新しいことが始まりそうで、期待感は高まりますが、実際のところは勝ち目がない戦いに突入してしまっているのでは、と懸念します。
誰と?
「敵」は霞ヶ関にあり。そう、官僚機構 vs. 民主党の「内戦」がもう始まっているのです。
民主党は選挙のスローガンとして「脱官僚」を掲げてましたし、施策レベルでも、
・「子育て支援」をはじめとする様々な政策実現の財源は、
既存の予算から「税金のムダづかい」をやめてしぼりだす
・首相直轄の「国家戦略局」が予算などの基本方針を決める
と打ち出しているわけですから、既得権を奪われる官僚機構からの強烈な反発が予想されます。
だってそうでしょ?お金(=予算)を削られたうえに、「お金を配分する権利」を手放せ、と言われたら、誰だってモーレツに抵抗しますよね。そうならないためには、民主党はあの手この手をつくして官僚機構の「面従腹背」を許さずに、政策の実現を「やらせきる」、すなわち政治力を発揮することが不可欠です。
「政治力の源泉」という発想
「政治力」なんて聞くと、コワモテの政治家が一声かければ相手は「ははぁー」と恐れ入る、なんてイメージが浮かぶかもしれませんが、これはあくまでもおとぎ話。実際のところは、自分の意見に従うように相手の行動を変えるためには、様々なテクニックを使って「政治力の源泉」を構築しなければなりません。すなわち、否が応でも行動を変えざるを得ないように、相手の外堀を埋めていくイメージです。
それはたとえば、組織内のあちこちから情報を集めてきて、「その情報を欲しがっている人に教えてあげる」事によって影響力を発揮することで、組織のなかで不確実性が高まっているときにはとくに効果的ですね。
サラリーマンの人であれば、人事異動の時期を考えるとイメージしやすいでしょう。「誰がどこの部署に異動するのか」、あるいは、「ウチの部署のトップは誰がつくのか」、こんな情報を内示前に教えてくれる人がいるとしたら、何ともありがたいことです。いや、「ありがたい」どころか、自分のキャリアのためにはその情報は不可欠。「ありがたい」情報を教えてくれる人の言葉には従わざるを得なくなって、かくして「政治力の源泉」の構築ができました。
このテクニック、「情報のアービトラージ」(情報をやりとりして政治力を生み出す)というキーワードでまとめられますが、詳しいことを知りたい方はこちらを一読してください。
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