経営者には組織を維持、存続、発展させていく力が必要である。
経営とは、2人以上の組織を取りまとめ、目標を達成する活動である。最も身近な例は、家族や友人の意見や利害を調整して、同じ行動をとることである。家族で週末の過ごし方を決めて、休日のだんらんを楽しむこと、恋人と一緒に食事をするレストランを選んで、楽しい一時を過ごすことも、言葉は大げさだか、一種の経営である。一般に、目標や目的が明確的で、参加者数の多い組織的な活動が経営と呼ばれる。
このような組織の活動において最終的な決断を下したり、重大な影響力を持つ者が経営者である。経営者は組織の行動やその結果に対する責任を負い、非難の対象にもなる。
経営者にまず求められるのは、人格である。家族や友人との関係を考える場合と数千人、数万人の企業の経営を考えるのでは、世界が異なるが、基本的に、経営者は組織の構成員の感情、心理、利害、制約などを理解して、組織に対して最大公約数的であり、かつ最も適切な行動計画を示すことが求められる。経営者は、自己の利益や一部の組織の構成員の利益を追求するのではなく、組織全体として最大の利益を追求しなければならない。経営者の第1の条件は、このような「無私」あるいは「利他」の思考や心を持っことだと言える。
経営学において、経営(マネジメント)はリーダーシップと分けて考えられることがある。そのような狭い意味において経営に求められるのは、一定の目標・目的、あるいは特定の戦略をいかに実行して、目標・目的を達成するかということである。そこでは戦略性ではなく戦術が問われる。大局観に合った最適な方針を示し、上手く事を運ぶことが、狭い意味の経営である。
経営者にふさわし人格を持つ者に求められる第2の条件は「感受性」である。それは同僚や部下など組織の構成員の感情、心理、利害、制約などを理解する力である。これは上司など上層の経営者の意図を理解する能力であり、また、顧客ニーズを理解する能力でもある。 (次号につづく)
【V.スピリット No.112より】
V.スピリット 総集編6
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