リーダーに問われるのは知識、能力、経験ではなく姿勢である。
数十万人の社員を抱える世界的企業の経営者から一国一城のベンチャー経営者まで、組織を率いるリーダーは多く、様々なタイプがある。
組織の規模、業種や業態と関連して、リーダーには様々な段階、領域、次元がある。これらをリーダーの「活動エリア」と呼ぶことにしたい。
様々な活動エリアで活躍するリーダーに求められる共通の条件は、それぞれのリーダーが所属する活動エリアにおいて必要な知識、能力、経験を満たすことである。一方で、リーダーの知識、能力、経験によってそのリーダーの活動エリアが定義されることになるので、知識、能力、経験は必ずしもリーダーである
ことの必要条件ではない。
リーダー自身が定義することになる活動エリアにおいて期待される知識、能力、経験の水準を満たさないと判断される場合、リーダーはリーダーとしての立場を維持できなくなる。このような判断は、リーダーを中心とする組織の勢い、力、株価などで示される。それでも、同族経営などによってリーダーの地位が固定的な場合は、リーダーが客観的に評価されるのではなく、リーダーの活動エリアが組織内部で再定義されるだけに終わることがある。
自らの活動エリアを変更すること、あるいは、周囲の期待を変化を変えることによってリーダーは常にリーダーでありえる。
リーダーの真価を決めるのは、知識でも能力でも経験でもない。また、それらによってもたらされる実績や期待でもなくなる。
問われるのは、「今」の状態に対して知識、能力、経験を高めるいくのかどうかという姿勢である。現状に対して、知識、能力、経験をどのように積み重ねていくかという思考と行動、そしてその結果である。
例えば、知識、能力、経験の総合値が100のリーダーAと総合値が80のリーダーBがいて、それぞれのリーダーを中心とする組織があるとする。リーダーの真価を決めるのはこの100や80という総合値ではない。リーダーの真価を決めるのは現状の総合値を高めていくかどうかという姿勢である。現状からの数値の変化量や変化率が問題となる。さらに言えば、数値変化の安定性や持続性も問われることになる。 (次号につづく)
【V.スピリット No.109より】
V.スピリット 総集編6
2009.04.02
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