持てる資産を活用して、投資を上回る有形・無形の資産を生み出していくことが大切である。
企業は人、モノ、金、情報を使って売上を上げ、利益を稼ぎ出す。このような企業活動は、究極的には「エネルギー量」とその「使い方」に分解できる。エネルギー量とは、社員やスタッフ、人の労働を支援したり代替する機器や設備の仕事量である。あるいは、人材を雇うためや機器や設備を購入するために投下するエネルギーの蓄積である。
エネルギーの使い方とは、人が持つ知識、あるいはお金を支払って入手する情報を活用してエネルギーの配分、配分のタイミング、配分の形態などを決めて実行することである。それはエネルギーの質を決めることでもある。
人、モノ、金、情報の入手のしやすさも大切な要素である。これら経営資源の入手のしやすさや使いやすさは人的な関係によって決まる。有形の経営資源とともに、資源を容易に入手したり活用できる「関係」も無形の重要な資源である。
例えば、小売業者がどこに店舗を出店するかというマーケティング戦略を考える場面において、過去に蓄積したエネルギーの結晶とも言える自己資金をどのように投資するのか、あるいは、他社が蓄積したエネルギーを信用によって借り受けて投資するのかという「金」の配分が問題になる。金銭的なエネルギーの投下量は内装や外装など店舗の見た目の品質に影響する。また、店舗への人員の配置など「人」の問題もある。周辺の商圏についての見込みや消費者の嗜好やトレンドなどの予想など、情報を活用して、人、モノ、金の配分を決めることになる。そして、これら人、モノ、金、あるいは、情報をどれだけ入手しやすいか、使いやすいかという関係性が戦略の成功を決定づける。
投資された経営資源は、それを投資した企業にとって新たな価値を持つことになる。投資によって新しい資産保有の形態への移行することになる。建物や機器など、有形の資産は、時間の経過とともに劣化して、価値が低下していく。資産価値の低下を埋め合わせ、上回るだけの価値を生み出し、企業が保有する総資産の価値を維持し、高めていかなければならない。それは企業が存続するための条件でもある。
資産を投資して、その元本相当分の価値を回収し、さらに、投資した資産の価値を上回る価値を創造し、蓄積していくにはどうしたら良いのか?
その企業ならではのコアな分野で市場機会をとらえ経営資源を集中的に投資していく必要がある。
市場は多額の投資を平然と飲み込んでしまうこともあるが、「適切」な投資に対しては、「適切」な見返りを与えるようである。
「適切」な投資。エネルギーの量×使い方。この適切さを見出すのが難しい。
【V.スピリット No.106より】
V.スピリット 総集編6
2009.04.01
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