プレゼンテーションの極意: 「沈黙は金なり」

画像: Michael Kappel

2008.12.02

経営・マネジメント

プレゼンテーションの極意: 「沈黙は金なり」

入野 康隆

資金調達のためのプレゼンテーションを支援させていただくことは多いのですが、 資金調達プレゼンの考え方についての要点をまとめ、 最後にプレゼン用のパワーポイントテンプレートをダウンロード提供します。

タイプ3:「緊張したらどうしよう」と思うから緊張する

意外と多いのがこの悪循環ロジックタイプ。

確かに緊張したから本領発揮できずにプレゼンが失敗する可能性はありますが、
実際には、緊張したから大失敗した!という例は個人的にはあまり見たことがありません。

マウスに手を伸ばしたと思ったらお茶をコボしてしまったという程度です。

また、緊張はある程度するべきです。

経営者の資質の評価項目として、「目下の者に対する接し方」や「自分に対する接し方」を挙げているキャピタリストも多く、
緊張するということは相手に対するリスペクトを持っている証拠でもあるので、
特に若手のキャピタリストには緊張を好感する人もいます。

緊張したフリをするぐらいでもいいと思います。

■ 資金調達プレゼンをコンサルタントにお願いする

「入野さんがプレゼンやってくれませんか?」とたまに頼まれたりしますが、
すべてお断りしています。

コンサルがプレゼンをすると、ウマいかもしれないけどウソくさいのです。

事業に最終責任を持つ経営者自身がプレゼンしないと迫力がありません。

投資家から見れば、カネを預ける対象はあくまで経営者本人。
コンサルタントではないのです。

===== 中級者でもよくある間違い ======================== 

■ 経営者一人でプレゼンしようとする

プレゼンの相手が5人もいるのに経営者一人で乗り込んで
1対5でプレゼンしようとするのはあまりよくありません。

理由の一つは、フィジカルパワーバランスです。

単純に人数や体の大きさが交渉の優劣を決定するというものです。

法律のプロの弁護士でも「ヤクザの事務所に一人で行かないように」と言われるように、どんなに優秀で事業計画のロジックが素晴らしくとも、1対多の状況は交渉する場としてはとても不利なのです。

もう一つの理由は、経営者の資質は一人だけではアピールしにくいからです。

経営者が自らを褒めるのはウソくさく、
第3者の口で褒めてもらった方が信憑性があります。

投資委員会の5人を相手に1人で乗り込んで、相手を圧倒して帰ってくる経営者もたまにいますが、そのようなオーラの強い方はごくわずかな限られた人です。

資金調達プレゼンにはフォロー担当者が必要なのです。

■ 沈黙の間をこわがる

プレゼンの中級者でも沈黙を無理に埋めようとする方がいます。

「経営者としての落ち着きや成熟さ」は重要な評価項目ですが、
相手が考えている間の沈黙を埋めようとして余計なことをしゃべってしまい、評価を落とす原因になる方もいます。

次のページ試しに、3秒黙ってみてください。

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