ターゲットのセグメンテーションはしっかりして下さい。自社がターゲットとしているお客さんにどんな違いがあるか?の認識からで充分なので、して下さい。でも、リソースのセグメンテーションをする前にちょっと考えてみてください。
ターゲットを自社のリソース制約に合わせてセグメントするなら有り得るんですよ。
税理士さんがいたとします。税理士さんは決算の時ばかり忙しいですよね。だけど、それ以外はけっこうヒマである。
自社の都合で、決算業務を頼んでくるお客さんと、ヒマな時に税務アドバイスを求めるヒトがいてくれるといいな、と考えて決算系顧客と、それ以外顧客に分けて考える。
それは有り得ます。
でも、決算業務を頼んでくるお客さんに対応する税理士さんを、マネジメントがちょっと大変だからといって、分断するのは、ちょっと危険なんですね。
このあたりのお話しがわかってくると、シナジー効果についても分かってきますよね。
Aというセグメントを対象にしているAAという会社と、Bというセグメントを対象としているBBという会社があったとして、AAの保有するヒューマンリソースのスキルがBBの保有するヒューマンリソースのスキルと非常に似通っているという状況があったとします。
両者が合併して、しっかりマルチタスクトレーニングができれば、シナジーが生まれるということが理解できますか?
逆に同じような業界企業の合併でも、顧客とリソースが完全に別個の場合、シナジーはほぼありません。
例えば、スポーツジムとスポーツマーケティング会社にシナジーはあると思いますか?
リソースの親和性はないですよね。スポーツジムのお客さんはエンドユーザーで、スポーツマーケティングのお客さんは企業スポンサーですからね。
さらに、スポーツジムを運営するスキルと、スポーツマーケティングをするスキルは一切親和性がないですよね。
広告代理店と、スポーツマーケティング会社が合併したらシナジーはありますよね?
このあたりのケースは、ここまで読んで内容を理解していただいた方には説明は不要ですよね・・・。というか、ご自分で考えてみてください。
リソースは同じようなスキルセットならなるべく分けないで下さい。顧客は自社のリソース制約に従ってもいいから、ニーズをベースにしっかり分けてください。
しょーもないケースからご説明差し上げていますが、このあたりの議論は、リソース配分とポジショニング、つまり戦略を考える時に、よくぶち当たる問題だったりします。
次回もこのあたりの議論を書こうと思いますので、次回もお楽しみに。
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。