消費者行動をON、OFF、ニュートラルという3つの状態と複数の消費者間におけるそれらの状態の相互作用について引き続き考えてみたい。
消費者1と消費者2の心理と行動の組合せは単純なモデルで表現しても9×9で81 パターン、これにいくつかのタイプ、さらに、いくつかの組合せがある。とても説明しきれないので、要点のみの解説を続けたい。
前回、日常ビジネスにおける消費者1のON・ON型のコミュニケーションは、消費者2には受け入れられ難いという説明をした。私利・私欲型のコミュニケーションは、相手に理解されても感情的あるいは生理的には受け入れられにくい。このため相手に期待通りの行動を望むことはできない。相手が1人ではなく組織である場合はなおさらその傾向が強いようである。多くの場合、消費者1のON・ON型のコミュニケーションに対する消費者2の反応はON・OFFでニュートラル、OFF・OFFでOFFとなる。しかし、このニュートラルは行動としてはOFFになるので結果的にOFFになる。ON・ON型のコミュニケションに対する相手の行動は基本的にネガティブとなることが多い。ここでは、あくまでも、物理的な制約がない場合のコミュニケーションを考えている。
結論から言えば、消費者1の心理と行動の組合せが、ニュートラル・ONであれば良い(あるいはON・ニュートラルでありながら、何らかの形で相手に伝われば良い)。それが適切な相手(消費者2)に伝えられた場合、相手の反応はON・ON、あるいは、ニュートラル・ONとなり、消費者1のメッセージは消費者2に受け入れられて、期待通りの行動をとってもらえるであろう。しかし、メッセージがストレートに消費者2のON・ON、あるいは、ニュートラル・ONという心理と行動を引き出すとは限らない。相手が誤解をしてON・OFF、あるいは、OFF・OFFになる可能性もある。また、相手が消費者1の真意を測りかねてニュートラルな態度をとり、さらに消費者1の真意をニュートラル・ONと推測すれば良いが、誤ってON・ON、あるいは、OFF・ONと推測した場合、消費者2の反応はON・OFFあるいはOFF・OFFとなる。これらの場合、消費者2は消費者1の期待通りの行動をとらない。
メッセージの伝わり方には4通りの形態がある。それらは、消費者1の心理と行動が反映されたメッセージが消費者2にストレートに伝わる場合、消費者2に誤解される場合、消費者2が消費者1の真意を測って消費者1の真意を正しく推測する場合、そして、誤って推測する場合の全部で4通りである。
メッセージの受け手はメッセージをストレートに受けとる場合とストレートに受け取らず真意を推測する場合、また、受け取ったメッセージや推測したメッセージに対して正しく反応する場合と誤って反応する場合がある。 (次回に続く)
【V.スピリット No.60より】
V.スピリット総集編3
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