消費者行動をON、OFF、ニュートラルという3つの状態と複数の消費者間におけるそれらの状態の相互作用について引き続き考えてみたい。
ここでは「ON-ニュートラル」、つまり、消費者1が消費者2に対して特定のメッセージを送って、消費者2の特定の行動を期待する場合における、消費者2のポジティブな心理とネガティブな行動、ネガティブな心理とポジティブな行動、または、中立的な行動(結果的にネガティブな行動)について考えてみたい。
最後の中立的な行動とは、消費者2が消費者1のメッセージに気付かない場合、あるいは、消費者1が特定の消費者Xを特定できない場合、消費者Xを特定しようとしない場合におこる。これはマーケティング、あるいは、コミュニケーションにおいて興味深い問題だが、ここでは状況の理解にとどめたい。
消費者1が消費者2に対して特定のメッセージを送って、消費者2に特定の行動を期待する場合で、消費者2がメッセージを受け入れているのに、期待された行動をとらない場合を「ニュートラル」の一形態だと考えている。これは消費者2の心理はON、行動はOFFという状況である。このような状態を「ON・OFF」と表現したい。
一方、消費者2の心理がネガティブなのに、期待通りの行動をするのも「ニュートラル」だが、これは「OFF・ON」と表現する。
消費者2の「ニュートラル」という立場をうみだす消費者1と消費者2の関係は、順に次のように表記できる。
ON-ON・OFF
ON-OFF・ON
なぜ消費者2の心理と行動がON・OFFになるのか?それは消費者1の心理状態とそれに対する消費者2の認識、理解、予測による。
消費者2の心理と行動がON・OFFとなる場合、消費者1のONという状態は、より正確には(さらに正確に分類するときりがないが)ON・ON、ON・ニュートラル、ON・OFFの3つの場合がある。
消費者1のON・ONに対する消費者2のON・OFFの状態を説明するためには、消費者1のON・ONに対する消費者2のON・ONという状態の説明を避けて通れないので、少しだけ触れたい。
これは消費者1と消費者2が本能的に望み、また、行動する場合である。基本的には異性間などでしか成立しないではないかと思う。
消費者1の強い意志と行動欲は、多くの人々には受け入れられないものである。例えば、消費者2は心理的には受け入れても、行動的には許容しない。つまり、消費者2の心理と行動は、ON・OFFになる。全体的な関係は、ON・ON-ON・OFFとなる。
例えば、消費者1が知人Cに1億円をだましとられたとしよう。消費者1はこの知人Cを「ぶん殴ってやりたい!」と思い、それを消費者2に伝えるが、消費者2は消費者1の気持ちは分かるが、殴ることは出来ないということになる。これが消費者1のON・ONに対する消費者2のON・OFFである。
「貧しい幼少時代を過ごしたので、どうしてもお金持ちになりたい」という消費者1の心理と行動欲は、消費者2の理解を得られるとしても、支援を得ることは困難だろう。この場合も、消費者1と消費者2の心理と行動の関係は、ON・ON-ON・OFFとなる。
私的な欲望は、相手に受け入れられないものである。
この説明では、物理的制約によってON・ON-ON・ONが成立せずに、ON・ON-ON・OFFになる場合を除いて考えている。 (次回に続く)
【V.スピリット No.59より】
V.スピリット総集編3
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