不確実性に対処するためにオプションという概念が役立つ。前回に続いて、オプション理論の基礎と経営への応用を紹介する。
2番目のケースでは、状況に応じて製品などのアウトプット、原材料や仕入商品などインプットを変更するオプションを持っていると考えられるだろう。輸入機器の販売、PCソフトの販売、電話加入権の販売など、事業内容を変えるケースは、必ずしも意図しているわけではないと思うが、このような転用オプションを活用しながら、企業価値を高めていることになると言えよう。事業の変遷を経て、取引関係が広がり、販売におけるノウハウも高まることだろう。
3番目のケースでは、段階的に事業を拡大し、新たな事業を創造する成長オプション、あるいは、不採算事業から撤退するオプションを保有していると言える。
その他、意思決定を延期することの出来るオプション、意思決定を段階的に行うオプション、事業を一時中断・再開・キャンセルするオプションなどがある。様々なオプションを想定できる。また、様々なオプションを併用することができる。上記はほんの一例に過ぎない。
リアル・オプション・アプローチにおいてポイントになるのは、経営における自由度と選択である。現実的にリアル・オプション・アプローチを活用するためには、組織における情報・知識の共有などコミュニケーションが不可欠になるだろう。また、実行力やリーダーシップなども重要であろう。
なお、オプションを設定して将来の不確実性に対処するのは良いが、足元のビジネスへの対応が疎かになって、致命的な失敗をしないように注意しなければならない。
【V.スピリット No.25より】
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
V.スピリット総集編2
2008.05.28
2008.05.28
2008.05.26
2008.05.26
2008.05.26
2008.05.24
2008.05.25
2008.05.23
2008.05.23