ビジネスの知識や能力を習得するため、あるいは、経営的な力を高ためには、学習と実践のバランスが必要である。また、正しい心と問題意識を持つて学び続けることが大切である。
最近は、海外のMBAだけではなく、国内のMBAも注目を集めている。MBAとアメリカのバスケットリーグ、あるいはドイツの高級車などを混同する人は少なくなった。しかし、MBAがどのような教育や訓練を受けているのか、MBAに何が出来るのかに興味を持つ人は多い。厳密にMBAを理解出来るのは、ビジネススクールの経営学、あるいは、経営管理の修士課程を終えた人だけであろう。MBAは学校の数と同じだけの宗派を持つ宗教のような側面がある。
MBAを取得するのがいかに大変か、ビジネススクールに入学するのがいかに難しいかは問題ではない。何ができるのかを行動や実績で示すべきであろう。学位がなくてもMBAと同等、あるいは、それ以上の知識、能力、人格を持つ人は多い。
それでも「MBAは大企業向け」、「MBAは中小企業やベンチャー経営には使えない」という指摘を受けることがある。とても残念である。
MBA取得者の1人として、MBAを取得するためのプログラムがどのようなものなのか、どのような存在であるべきなのか、MBAを取得するためではなく、MBAを取得せずに、MBAと同等の知識や能力を身につけるためにどうしたら良いのかという観点で考えてみたい。
MBAという言葉は、国内外の大学院(ビジネススクール)で取得するMaster of Business Administrationという学位を表すと同時に、その学位を取得するための教育・訓練、さらには、MBA取得者(ホルダー)を指す。
まず、「MBAは大企業向け」、「MBAは中小企業やベンチャー経営には使えない」と言われる理由について私なりの見解を述べたい。
このように言われるのは、MBAが比較的給料が良く収益が安定している大企業に勤めていることが多いからだろう。「MBAは中小企業やベンチャー経営には使えない」と言われるのは、そもそも中小企業の経営やベンチャーの立ち上げが難しいからだろう。MBAの中には企業を辞めて、ベンチャーに挑戦する人もいる。しかし、多くのベンチャーと同様にMBAが経営しても事業が失敗することは多い。しかし、MBAは事業に失敗しても、比較的良い条件で再就職出来るだろう。ベンチャー経営で成功している人々の多くは、MBAなど専門的な学位や資格を持たず、失敗しても、再び挑戦するなどしてベンチャー経営を続けざるをえない人々であることが多いのではないかと思う。「継続は力なり」と言うが、比較的恵まれた環境が、結果としてMBAの起業家としての成功を妨げている側面はあるだろう。
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