2026.08.25
アルゴリズムに選ばれる社会 ――それは、人間を幸せにするのか
齋藤 秀樹
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事
ネットで商品を探すと、「あなたへのおすすめ」が現れる。 SNSを開けば、興味を持ちそうな投稿が次々と流れてくる。動画を一本見れば、似た動画が並ぶ。転職サイトでは、自分に合いそうな会社が推薦される。 私たちは、こうした世界をすでに当たり前のものとして生きている。 だが、この延長線上にどのような社会が待っているのか。
信用まで「点数」になったとき
金融の世界では、これはさらに切実である。
融資の可否や条件は、人の生活そのものを左右する。
米国消費者金融保護局(CFPB)は、AIや複雑なアルゴリズムを利用した融資判断であっても、融資を拒否した場合には具体的で正確な理由を消費者に説明しなければならないと繰り返し示している。
その背景には、モデルが複雑になりすぎると、利用している金融機関自身が「なぜこの人が否決されたのか」を十分説明できなくなる、いわゆるブラックボックス化への懸念がある。
ここで考えたいのは、単にAIの精度の問題ではない。
人間が、
「あなたの信用度は72点です」
と言われたとき、それをどう受け止めるのかという問題である。
点数には、不思議な力がある。
数字で示されると、客観的な事実のように感じる。
しかし、その72点は自然界に存在していたものではない。
何をデータとして集めるのか。
何を重視するのか。
何を「信用」と定義するのか。
過去のどのデータから未来を予測するのか。
その背後には必ず、人間が設計した基準が存在する。
アルゴリズムは価値判断を消すのではない。価値判断を数式の中へ隠すことがある。
ここを忘れてはいけない。
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2026.08.25
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事
富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。
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