アルゴリズムに選ばれる社会 ――それは、人間を幸せにするのか

2026.08.25

組織・人材

アルゴリズムに選ばれる社会 ――それは、人間を幸せにするのか

齋藤 秀樹
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

ネットで商品を探すと、「あなたへのおすすめ」が現れる。 SNSを開けば、興味を持ちそうな投稿が次々と流れてくる。動画を一本見れば、似た動画が並ぶ。転職サイトでは、自分に合いそうな会社が推薦される。 私たちは、こうした世界をすでに当たり前のものとして生きている。 だが、この延長線上にどのような社会が待っているのか。

会社の中でも、人は「スコア化」され始めている

この動きは採用だけではない。

OECDは2025年、フランス、ドイツ、イタリア、日本、スペイン、米国の中間管理職6000人以上を対象に、職場における「アルゴリズム・マネジメント」を調査した。

そこには、勤務時間の割当て、業務指示、仕事の進捗、作業速度、位置情報、会話やメールの内容・トーン、目標設定、評価、報酬、さらにはパフォーマンスランキングまで含まれる。米国では調査対象企業の90%、欧州4か国平均では79%が少なくとも一つを導入していた。日本は40%と相対的に低いものの、すでに例外的な現象とは言いにくい。

もちろん、メリットもある。

同じOECD調査では、60%の管理職がアルゴリズム導入によって自らの意思決定の質が向上したと回答している。判断速度や情報量が増え、人間の恣意的な判断を減らせる可能性もある。

しかし同時に、利用している管理職の約3分の2が何らかの懸念を示し、28%が「誤った判断をした場合の責任の所在」、27%が「アルゴリズムの判断ロジックを追えないこと」、27%が「従業員の心身の健康への配慮不足」を問題として挙げている。

ここには、これからの社会を考える重要な示唆がある。

アルゴリズムは、必ずしも人間より悪い判断をするわけではない。

問題はむしろ、便利で、速く、一定の成果を出すからこそ、私たちが判断を委ねていくことである。

Ads by Google

齋藤 秀樹

株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。

フォロー フォローして齋藤 秀樹の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。