2026.05.20
人が育たない会社ほど、採用に逃げる ――離職が止まらない企業に必要なのは「人を採る力」ではなく「人が育つ器」である
齋藤 秀樹
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事
人が辞める。若手が続かない。現場が足りない。管理職が疲弊している。そのたびに、多くの企業はこう言う。 「もっと採用に力を入れなければならない」もちろん、採用は重要である。人がいなければ事業は回らない。 欠員が出れば、現場は苦しくなる。人手不足が深刻化する中で、採用活動を止めることはできない。 しかし、ここで問わなければならない。 なぜ、人が育たない会社ほど、採用にばかり力を入れるのか。
3. 採用偏重の正体は、「育成責任」からの逃避である
人が辞めたとき、多くの企業はこう考える。
「いい人が来なかった」
「合う人材ではなかった」
「本人に意欲がなかった」
「最近の若手はすぐ辞める」
しかし、本当にそうだろうか。
入社時点で未完成なのは当然である。
新人や若手は、最初から有能な人財として完成しているわけではない。
むしろ、企業とは本来、未完成な人を受け入れ、関わり、鍛え、支援し、社会に価値を出せる存在へ育てる場である。
にもかかわらず、人が育たない企業ほど、最初から“完成品”を求める。
即戦力。
自走できる人。
主体性のある人。
コミュニケーション能力の高い人。
うちの社風に合う人。
辞めずに頑張れる人。
つまり、採用の段階でこう願っている。
「育てなくても育っている人が欲しい」
これは、採用ではない。
育成責任の外注である。
本来、企業が問うべきことは、
「どんな人を採るか」だけではない。
採った人を、どんな関係性の中で育てるのか。
どんな経験を通じて成長させるのか。
どんな上司が、どんな関わり方で支援するのか。
どんなチームが、その人を有能な人財へ導くのか。
ここを設計しないまま採用を強化しても、人は定着しない。
定着しても、育たない。
育たないから、現場が疲弊する。
現場が疲弊するから、さらに育てられない。
この悪循環こそが、人手不足企業の本質である。
組織ism
2009.05.28
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株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事
富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。
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