2026.05.20
人が育たない会社ほど、採用に逃げる ――離職が止まらない企業に必要なのは「人を採る力」ではなく「人が育つ器」である
齋藤 秀樹
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事
人が辞める。若手が続かない。現場が足りない。管理職が疲弊している。そのたびに、多くの企業はこう言う。 「もっと採用に力を入れなければならない」もちろん、採用は重要である。人がいなければ事業は回らない。 欠員が出れば、現場は苦しくなる。人手不足が深刻化する中で、採用活動を止めることはできない。 しかし、ここで問わなければならない。 なぜ、人が育たない会社ほど、採用にばかり力を入れるのか。
2. それでも企業は、なぜ採用に走るのか
人が辞める。
だから採る。
また辞める。
また採る。
この繰り返しは、まるで穴の空いたバケツに水を注ぎ続けるようなものだ。
だが、企業はなぜこの構造から抜け出せないのか。
理由は明確である。
採用は、外側の問題に見える。
育成は、内側の問題を突きつける。
採用がうまくいかない理由は、外部環境のせいにしやすい。
「売り手市場だから」
「中小企業は知名度がないから」
「賃金で大企業に勝てないから」
「若者の価値観が変わったから」
たしかに、それらは事実の一部である。
2026年卒の大卒求人倍率は全体で1.66倍だが、従業員300人未満企業では8.98倍であり、コロナ禍前のピークに次ぐ高い水準となっている。つまり、中小企業はそもそも採用市場で極めて厳しい競争にさらされている。
さらに、リクルートワークス研究所によれば、中途採用を実施している中小企業の事業責任者の30.6%が「募集しても応募がない」、33.0%が「応募はあるが、応募者の資質が自社の求める水準に満たなかった」と回答している。
つまり、採用が難しいのは事実である。
しかし、だからこそ問うべきなのだ。
採れない時代に、なぜ“採ること”だけで解決しようとするのか。
採用市場が厳しいなら、採用した人を育て、定着させ、戦力化する力こそが重要になる。
にもかかわらず、多くの企業は「採れない」と嘆きながら、「育てられない」現実には向き合わない。
ここに、企業の深い矛盾がある。
組織ism
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株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事
富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。
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