/73年、西郷が征韓論に固執したのも、とにかく国内から不平士族を追いやることが最大の目的だった。しかし、大久保らの海外視察帰国組は、日本が列強の介入で植民地化されることを恐れ、これを潰した。結果、77年の西南戦争で、西郷が過剰な薩摩士族を引き連れて死んでいった。/
その一方、その責任を氷河期に押しつけて死に損なった団塊世代が、老いの春、医療と福祉の山盛天国で、国力を喰い潰し、若者の結婚や子供の生誕の機会を消し去り続けている。だから、今後、少子化は必至で、不動産やマスコミ、学校も、過剰になるだろう。娯楽や外食なども、遠からず日本人には、その余力も無くなる。
だが、最後のブレイクスルーを賭けた一か八かの破滅的な突撃総力戦は、まず成功せず、後がもっとひどいことになる。技術水準、勤労意欲、資源環境からして、現在の日本の産業の過半は、国際社会で存続不可能になるやもしれない。だから、おだやかな帰農、地方に戻って清貧な自給自足に甘んじるようなソフトランディングを考えないと、また、暴力的に国民を追いやって産業調整をするような事態に陥りかねない。
純丘曜彰(すみおかてるあき)大阪芸術大学教授(哲学)/美術博士(東京藝術大学)、元ドイツマインツ大学客員教授(メディア学)、元テレビ朝日報道局ブレーン
百日一考
2018.06.30
2021.12.30
2023.01.17
2023.04.29
2024.03.22
2024.04.07
2024.10.16
大阪芸術大学 哲学教授
美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。