日本全国で空き家が増加する中、「あなたの投資で社会が良くなる」をキャッチフレーズに、「空き家・古家に投資をして安定収入を得る方法を学ながら、実践できるサービスを提供する「一般社団法人 全国古家再生推進協議会」。その仕組みや意義について、理事長の大熊様にお話しをうかがいました。 (聞き手:猪口真)
大熊 今はバランスに問題はありません。ただ、まだ開拓できていない地方があるので、そこにどうやって広げていけるかが課題です。
猪口 ある程度のマーケット性を考えると、都市の郊外ぐらいがいいような印象を受けるのですが。
大熊 われわれの活動も貢献していると自負しているのですが、今、空き家投資の認知度が高くなってきて、投資する方が増えています。しかし、これは儲かるぞと入ってきても、都市や都市周辺部はそういう意味では利回りが落ちてきていますし、物件数も少なくなっています。
猪口 通常の不動産投資と一緒でキャップレート (投資家が期待する利回り) 的には下がるわけですね。
大熊 そこはやはり市場原理で動いていきますので。そのため、利回りを狙って物件を増やすとなると、地方のほうが有利になってきます。地方にはまだまだ知らないエリアがたくさんあります。それに、昔からの街の中心部で駅に近いところに空き家があっても、地元の方はあまりその良さが分からない。先ほどご紹介した事例の金沢の金石でも、地元の人には「 あの辺りに住む人いてないですよ」と言われました。ところがいざやってみると、「戸建て住めるのであれば」古い建物の方が味があるとそういった 方々がいるわけです。そういったエリアをどれだけ探していくかがわれわれの宿題です。
猪口 かつてとは常識が変わってきていますから、そういう意味ではいろいろなところにチャンスがあるかもしれませんね。
大熊 そうですね。本来であれば地元の人に古家を買ってもらって再生してもらうのが一番なのですが、今のところはそこまでいっていなくて、都市部の投資家が地方に投資することが多いですね。ただ、それを起爆剤に地域再生をしていくのが順序としてはいいと思っています。これからも協議会から投資家を地方に送っていきたいです。
猪口 投資家には一般サラリーマンの方が多いのでしょうか。いわゆるプロの投資家はいかがですか。
大熊 不動産に慣れている方はいますが少ないですね。われわれが行ったアンケートによると、投資をしている方は40代、50代が多い。これは、戸建て投資は融資がしにくくキャッシュが必要になるためだと思われます。投資目的としては「老後の資金づくり」と「収入源の分散」が多く、「投資スタイルは高利回り・リスク許容型」と「低利回り・リスク回避型」が多くなりました。いずれも継続的収益を重視していることから、コツコツ型の方が多いようです。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
インサイトナウ編集長対談
2023.08.28
2023.08.28
2024.06.03