2024.07.01
【インサイトナウ編集長対談】子どもたちのためにDX・AIの学習機会を作っていこう ~ 「未来をひらくDX人財育成プログラム2024」~
INSIGHT NOW! 編集部
インサイトナウ株式会社
小学生から大学生に至るまでの幅広い子ども・若者層にDXに関する興味と深い理解を促す「未来をひらくDX人財育成プログラム2024」がスタートしました。主催者である一般社団法人イノベーション融合学会 理事の富士翔大郎さんにお話をうかがいました。(聞き手:猪口真)
先ほどの影響力の話の通り対象者は子どもだけでなく、大人向けのものもあります。私が面白いと思うのは、お年寄りのスマホ教室です。DX検定と直接的には関係ありませんが、孫から教えてもらうような形で結びつけたいと思っています。お年寄りが様々な詐欺等に騙されないようにするためには情報弱者とならないようスマホのリテラシーを上げる必要があります。子どもだけに限らず、DXを中心としたさまざまな学びをEXPOや展覧会のような形で学べる機会を、なるべく無料で提供したいと考えています。受ける側は当然勉強になりますし、発信側も情報提供の場を確保することができます。
猪口 改めて、富士さんが考える早期にDX教育を受けることの意義についてお聞かせください。
富士 日本のデジタル競争力はIMDの2023年版世界デジタル競争力ランキングで32位と過去最低を記録しています。この順位は、日本がデジタル化の面で多くの課題に直面していることを示しています。このいわばデジタル後進国と言わざるを得ない状況は、今後少子高齢化やインフラの老朽化など大きな課題は山積みなので、自然と改善されることは難しいでしょう、実際経済的にも政治的にも大きなマイナスの影響を与えると考えられます。私は特に人財不足の問題、デジタルスキルを持つ人財が不足しているということが大きな課題と考えています。例えば、日本のデジタルスキルランキングは64カ国中63位で、非常に低い評価を受けています。下から2番目という非常に低い評価、これは本当に「日本ヤバイ!」と私自身もびっくりした現実です。日本企業が今重要視しはじめたのは、「リスキリング」ですね。もちろん必要で重要なことです。ただこの対象となるのはベテラン社員層なので、やはりもっと先の未来を見据えた戦略を考えるときには早期育成が重要でしょう。
私は将来日本が世界をリードするようなデジタル先進国になるには、デジタルネイティブ、DX・AIネイティブ育成を当たり前のものにしていく必要があると考えます。DXリテラシーのDX検定に留まらず、様々な教育や知的好奇心を刺激する取り組みを続けることによって、数年後には、リテラシーにとどまらず、AIのビジネスアイディアや実際のシステムづくりの博士ちゃんを一人でも多く世の中へ送り出すことです。それが今の日本に必要なことだと思っています。今はDXのほうを向いていない子どもたちにまずは興味を持たせる段階です。キーワードを身につけるとテレビで流れているニュースが自分のものになるので、勉強する気がなくても自然と学ぶ(インフォーマルラーニング)ことになります。車を見て、「自動運転で車は走り続けると駐車場が要らないね、タクシーも要らなくなるね」という社会変革やビジネスモデルが変わるような自由な発想が小学生レベルから起きてほしいわけです。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
残念なDX
2024.01.31
2024.01.31
2024.05.20