マーケティングコンサルタント金森努様と人材開発コンサルタント富士翔大郎様をお招きして、「残念なDX」についてお話を伺いました。
お相手:マーケティングコンサルタント金森努様×人材開発コンサルタント富士翔大郎様
猪口 本日は金森さんと富士さんをお招きして、「残念なDX」についてお話を聞いていきたいと思います。まず、何が残念なのでしょうか。
残念なDXとは
富士 新しいことをする時、日本の企業は成功か失敗かの判定を明確にできていないことが多いです、いい意味ではチャレンジが大切ということでもあります。最近、DXが成功したかどうかが分からないまま、「なぜ失敗したのか」や「成功事例」といった話がやたらと出てきます。ところが、そんなわけで成功や失敗の基準を明確に答えられる人がいない。
猪口 本当にそうですね。目標や目的もない。以前にも記事にしましたが、大手企業がDXで大きく成功したことはペーパーレスだそうです。経営者はそんなことを求めていないですよね。
富士 頑張っているが、成功も失敗もしていない成果の見えない状態、特に側からは失敗に見えるのが「残念なDX」です。もっとも厄介なのは、本人たちはそれを成功と思っていることです。
猪口 マーケティングにおいては、デジタルマーケティングなどと言われますが、他の職種と比べて進んでいるのでしょうか。
金森 デジタルマーケティングに関してはKPIがはっきりしているので、成功と失敗の判別はしやすいと思います。デジタルマーケティングの場合、KPIの先のKGIが「売り上げを伸ばすこと」など明確です。KGIがはっきりしていて、KPIが設定されているのであればわかりやすいですよね。ただし、デジタルマーケティングは、マーケティングという名前はついていますが、やっていることの多くはプロモーション領域です。マーケティング全体で見れば一部の展開で、そこがうまくいった、いっていないと評価しているだけにすぎません。
猪口 残念なDXの場合、KGIがないということでしょうか。
富士 DXは、「とにかくやろう」と始める場合が多く、KGIも軽めのものです、我々コンサルもまずは取り組むことが重要と助言していますので、仕方がないところです。ただ問題なのは成功したかどうかわからなくても、最終的に成功というステータスに持っていってしまいがちな習慣です。例えば売り上げ目標に届いていなくても、「でも我々頑張ったよね」としてしまう。システム導入後に打ち上げをして、そこで「素晴らしかった」となれば、その後に成果を上げたかどうかの分析がお座なりになりがちです。営業での失注分析という宝の箱が開かれにくいのと同様に日本企業はシステム化に関しては昔からそうですね。大きな失敗がなければ成功だったりします。
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残念なDX
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