前回は「残念なDXからいかに抜け出すか DXにはマーケティングが欠落している?」(https://www.insightnow.jp/article/11950)と言うテーマでお話しいただきましたが、今回は、実際にDXソリューションを提供されているDHH合同会社 CEO藤川秀行様をお迎えし、DXの誤解と一向に進まない原因についてお話をうかがいました。
連載:【インサイトナウ編集長鼎談】課題への転化ができていないからDXが進まない
お相手:マーケティングコンサルタント金森努様×人材開発コンサルタント富士翔大郎様×DHH合同会社 CEO藤川秀行様
(音声データのデジタル化技術でDXを推進するDHH社)
連載:【インサイトナウ編集長鼎談】 残念なDXからいかに抜け出すか DXにはマーケティングが欠落している? - INSIGHT NOW!プロフェッショナル
前半:【インサイトナウ編集長鼎談】「残念なDX」第2回:DXの誤解と失敗の原因(1)
後半:【インサイトナウ編集長鼎談】「残念なDX」第2回:DXの誤解と失敗の原因(2)
猪口 これまで2回にわたって残念なDXとは何か、何が原因なのかを話してきました。
富士「残念なDX」には様々な要素があることがわかりましたが、一番の要因は顧客志向やマーケティング分析の不足ではないかということになりました、それを全部こなすのは至難の業なので、現実には「技術を最優先にしているために、お客様の環境に対応できていない」というところに焦点を当ててきました。しかし、私も金森さんも、あくまでユーザーであったりコンサル的な立場から見ているので、提供当事者の立場とはやはり違う面があります。今回は現場の声をお聞きするため、音声DX DECIBELというサービスを提供しているDHH社藤川社長をお招きしました。
藤川 私はDHHという会社を経営しています。CEOではありますが、プロダクトマネージャーとしてプロダクトの企画開発やコーディングも行っています。
DECIBELというのは、電話受付を人が不在でも自動で行うことができるクラウドIVR サービスです。2017年頃からアマゾンのEchoやSiriといった音声アシスタントが出てきて、音声入力の下地が形成されました。その後、音声認識と音声合成の技術が飛躍的に向上し、電話に適用することで、自動で応答ができるようになりました。日本には日本語の問題が参入障壁になっていたこともあり、これを実現するためにDECIBELの開発を進めました。
猪口 実際にはどのようなお客様が導入されているのですか。
藤川 今一番利用されているのは住宅関連の会社です。四半期に1回大量のDMを発行して、キャンペーン等の告知をするのですが、パソコンやスマートフォンを使えない高齢者の方も多く、そのリアクションを取るため、電話の受け口をつくる必要がありました。開設してみると問い合わせ電話が鳴りやまない事態となり、これでは仕事にならないとご相談いただきました。そこでDECIBELを導入していただき、お客様の名前、住所、希望する商品を聞いて管理する仕組みを提供しています。
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残念なDX
2024.01.31
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