2024.06.27
【インサイトナウ編集長鼎談】個別のイノベーション成果に満足することなく、異分野間の融合によって新たなイノベーションを創出させる
INSIGHT NOW! 編集部
インサイトナウ株式会社
DX人材の育成や検定シリーズ,「知のオリンピック」事業など、独自の活動を続け、イノベーション融合による新しい知の創出を目指す「一般社団法人イノベーション融合学会(https://www.ifsj.or.jp/)」の代表理事 西山 敏樹さん、理事の富士 翔大郎さんにお話しをうかがいました。(聞き手:猪口真)
猪口 まさに日本イノベーション融合学会のコンセプトとニアリーイコールですね。先日、導入事例として住友生命さんの取材記事を読みましたが、すごいですね。
西山 一見生命保険会社とDXは関係ないように見えますが、そうではないのです。お客さん側も、保険に関する情報や自分の状況を可視化していく時、お互いのためにDXが必要です。IT会社だけでなく、例えば政治系や交通系など、いろいろな分野でやっているということが必要です。いろいろな人に広げていって、「この世界観が日本に必要だ」というレベルにしていかないと遅れてしまいます。なぜなら共通語で喋れなくなってしまうからです。その土壌を作るために、あらゆる分野、業態にもっと早く広げていきたいですね。
猪口 DXを取り入れたことで「Vitality」というヒット商品にもつながっていますし、今後も新しいサービスの開発など、いろいろなことが可能性として見えてきます。
富士 これまでの亡くなった方の遺族を保障するという考え方をひっくり返して、元気な人を保障すべき、元気になることを支援すべきだという、今は当たり前でも当時はそうではなかったこの方向に一気に舵を切りました。これはものすごいイノベーションです。
西山 イノベーション融合学はまだ体系化されておらず、今は実践をしている状況ですが、これから理論が導き出されていくステージが来ると思います。そこは学会としても、ブランディングを含めて攻めていかないといけない部分です。10年目を迎えた今、知のオリンピックやDX検定、個別の研究を進めながら、「こういうことをやるともっと別のイノベーションが起きてくる」といった方法論やつなぐ時のポイントなど、そろそろそういう活動もしていかなければいけないかなと考えています。
猪口 記事にあった顧問のコメントに、「成長阻害の一番の原因である小さなプライドがAIにはない」とありましたが、これは真理ですね。小さなプライドでみんなだめになっていくのでしょうね。
富士 日本が遅れる理由はそこにあります。日本は大企業が何かやらないと話が進みませんが、アメリカはベンチャーがひっくり返します。その文化が今DXの差になっていると私は思っています。突き詰めて単純化すると、日本の中小企業はお金がないのでDXができていない。一方、外国のベンチャーは大企業をひっくり返してやろうとものすごいエネルギーをかけていて、その土壌から出てきたDXはやはり表現形として差が出ています。
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残念なDX
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