/「寄附行為」に明記されている学部や大学院、研究所以外のもの、体育会の「部」などというものは、大学に存在しない。大学が不正に体育会を支援するほど、一般学生の大学に対する反感が募り、本来の教育研究もおろそかになって、大学本体が倒れてしまう。/
しかし、今日の若者は、カネが無い上に、彼らの娯楽も多様化しており、特定の既存競技で露出を増やしても、奨学金付きでその部に入りたいという者が増えるだけで、大学全体の志願者増には貢献せず、まして大学全体の教育研究の質の向上など、まったく期待できない。つまり、体育会へ不正に大学が資産を流用するにしても、費用対効果が悪すぎる。それどころか、なけなしのカネを注ぎ込んでいる一般学生からすれば、伝統の名門だかなんだか知らないが、ろくに講義にも出てこない筋肉連中のために、自分たちの学費を流用して、大学が寮まで作って生活を丸抱えして「飼育」していることに、むしろ強い反感を持ちはじめている。
つまり、大学が不正に体育会を支援するほど、もはや大学に対する一般学生や志願者の反感が募る。まして、それがいろいろ事件や不祥事を起こすとなると、潰すもなにも、そもそもそんな大学組織でもなんでもないものは、とっとときれいに大学から排除しろ、ということになる。
大学は、研究教育機関であり、勉学の場だ。スポーツをやりたければ、かってにどこか学外でやって、自分たちでカネを集めるか、もしくは、それを正規に学部として設置している体育大学に行けばいいだけのこと。日本経済は縮み、学生数は減少する。もはやどこの大学も余裕は無い。本来の「寄附行為」に無いトコジラミのような連中に血を吸われていたら、本体ごと倒れてしまう。
経営
2023.08.21
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2024.10.09
大阪芸術大学 哲学教授
美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。