自民党松川議員がフランス研修中に撮影したエッフェル塔前の記念撮影。相次ぐ増税やハイパーな物価などで苦しむ庶民から見れば、外務省など関係官僚の手厚いケア付で夏休みの高額料金シーズンに、恐らくファーストクラスで超高級ホテルという大名旅行に厳しい批判が集まりました。この事件、就活でESや面接回答に悩む学生の皆さんへの教訓になるのではないでしょうか。
私は長年大学院博士後期課程学生の民間企業就職を支援していますが、「役に立たない」とも批判される地味な基礎研究を行っている博士学生が、毎年何人も就職できています。ネタ勝負で採否は判断されないことは明らかで、求められるコミュニケーション能力とは、説明して相手を納得させたり、説得して物事を進める事業推進力を見ているからです。
・「有意義な外遊」「成果はある」と説明するコミュニケーション力
ESや面接で「学生時代にボランティアで活躍しました」「アルバイトでお客様の信頼を勝ち得ました」「サークル副部長でチームを優勝に導きました」というのは、どれも採用を決める上で、何の役にも立たないダメアピールです。なぜか?こうツッコんだら終りだからです。
「それってアナタの感想ですよね?」
エビデンスもなく、言った者勝ちで採否を決めるようであれば、そんな会社は危険です。
ボランティアもバイトも副部長も、何も問題ありません。しかし「そう言った」だけで採用するほどまぬけな人物が面接官を務めていたら、危ないといえるでしょう。
松川議員や今井議員は「(外遊は)実りがあった」「無駄な外遊ではない」と述べていますが、すべて「あなたの感想」以上の説明になっているでしょうか?
研修結果を発表するとも言っていますが、民間企業であれば、出張後すみやかに報告提出が求められます。「アナタの感想」などと揶揄する声を黙らせるコミュニケーション能力で、即座に報告を出し、ぜひ批判をねじ伏せていただきたいと思います。
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2009.02.10
2015.01.26
株式会社RMロンドンパートナーズ 東北大学特任教授/人事コンサルタント
芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。