総選挙に際しての「大盤振舞い」オンパレードの与野党の公約には、財源を真剣に考えた様子がまったくない。将来世代への責任を考えたら国債依存のこれ以上の膨張は許されず、所得税・消費税の増税も現実的ではない。現実性かつ社会の公正さから言っても、不動産を中心とする資産課税の強化と、国の資産売却が最有力ではないか。
財源策の二つ目は、国の保有資産の売却だ。こちらもなぜか与野党とも滅多に話題に載せないが、一時的な「大盤振舞い」の財源としては、先述の「不動産資産への課税強化」以上に相応しい。
なぜなら、1)いくら巨額であっても一時的な財源であることが明らかなので、常に税収という人の懐で仕事をする官僚・政治家といえどもその使い道に無駄を生じさせたくないという心理・力が働く、2)国がいわば「身を切る」格好なので、財政再建への執念を見せる姿勢をこれ以上なく説得力ある形で訴求できる、つまり将来世代や金融市場に対し「日本国は放漫財政を続ける気はない」というメッセージをこれ以上ない説得力を持って伝えることができるのだ。
さらに言えば、先に挙げた「不動産資産への課税強化」策が万一でももたらしかねない「不動産取引市場の過剰な煽り」効果を抑制する「冷やし玉」(供給増の一助)にもなる。つまり2つの方策は整合的かつ組合せとして良好なのだ。
当然ながら、「売ってしまえばそれっきりで、何度もできる策じゃないぞ」というのはその通り。だからこそ、今回示す大盤振舞いは一時的だぞという自覚を政府も国民も求められ、その財源から生み出される国家予算を大切に使う覚悟を決められるはずだ。この国家の「身を切る」やり方であればこそ、国債での穴埋めという「政治家の罪悪感も国民の危機感も生まない方策」に比べ、ずっと国家の将来のためになると小生は思うのだが、皆さんはどう考えるだろうか。社会インフラ・制度
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パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長
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